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申告業務の報酬はいくらが適正なのか

申告報酬は、大体月額顧問料の4ヵ月分~6ヵ月分というのが相場という印象ですが、「支払った報酬以上の価値」という観点から考えるといったいいくらぐらいが妥当なのでしょうか。

税理士の申告業務に関する各会社の価値とは

税理士に確定申告作業を依頼するにあたって、支払われる報酬は各会社によって様々ですが、支払った報酬以上のリターンを得るという観点から考えた場合にリターンをどのように計算すればいいのか考えてみました。

①申告書を作成する能力が無い会社の場合

申告書を作成する能力が無い会社の場合は、税理士に申告業務を依頼しなければ無申告になってしまいます。無申告になると、支払うべき税金が一時的に支払わずに済むようになる反面、いずれは税務調査が入り、重加算税、延滞税を課せられた上で一時的に支払わずに済んでいた税金も持っていかれてしまいます。

したがって、ざっくりとですが支払うべき税金の「重加算税+延滞税」の金額を超えなければ税理士に依頼した方がいいと考える事ができます。これは最低限の金額で、無申告によるブランド価値の毀損など定性要因を考えると、もっと税理士に依頼する価値があると考えられます。

重加算税は課せられる税金の35%~40%、延滞税は2ヵ月以降は14.6%なので、大体支払う税金の半額以下であれば報酬を支払うメリットがあるという事になります。

②自力で申告書を作成できる会社の場合

自力で申告書を作成できるのであれば、無申告になることはありませんが申告書を作成する人件費、適切な申告書を作ることができなかった場合に課せられる過少申告加算税(50万円以下10%、50万円超15%)、その税理士に委任しなければわからなかった節税策によって削減できた税金といったところが、税理士報酬を上回っていれば依頼する価値があると考えられます。

それがいくらぐらいになるのか試算するのはかなり難しいですが、ちゃんと利益を出している会社であれば3万円~5万円といった相場観の月額顧問料の半年分18万~30万円といった金額が上記の想定金額を超えると考えるの出れば頼むべきではないですし、超えないのであれば頼む価値があると考えられます。

通常のある程度の規模がある会社であれば申告書を作成する経理の方の人件費1ヵ月分程度だけでも申告報酬を支払う価値があるのではないかと思います。