なぜか得するふるさと納税
こんにちは。当ブログをご覧いただきありがとうございます。
この記事では、ふるさと納税についての基本的な疑問についてご紹介させていただきます。
今年のふるさと納税も締め切り間近になって来ました。ふるさと納税ってよく考えると不思議です。ふるさと納税のポータルサイトがあってまるでネットショップのようです。でも単純に別の自治体に寄付することで本来の住民税や所得税を控除してもらえる制度なので、実質的に別の自治体に税金を納めることになっているだけなんじゃないの?であれば、自分の自治体に税金納めるとなにももらえないのに、なんで別の自治体に税金納めただけで何かもらえるの?と思ってしまいます。
自治体の方と仕事をしていた時に「ふるさと納税の商品って、どうやって準備してるんですか?誰かから寄付してもらえるんですか?」と聞いたところ「地元の業者から仕入れてます」とおっしゃっていました。
ということは、自治体がお金を払って商品を準備しているということです。我々が結構お得だなと思えるような商品はそれなりの金額のはずで、ふるさと納税で寄付したお金のかなりの割合がその業者さんに支払われています。
この点が問題視されて、今年度返礼品の寄付に占める割合が3割を超えないように総務省が制限しようとしています。それでも大体普通に買うのに比べて3倍ぐらいの寄付を行うとその商品がもらえることになります。
人気の返礼品がある自治体の方と仕事をさせていただいたこともあり、世間話で「○○がすごい人気ですね、有名なんですか?」と聞いたことがありましたが、「いやー、うちは米ぐらいしか特産品はないんですよ。その商品は別に特産品でもなんでもなくて地元の業者が扱ってるっていうだけです」という話をされていました。こういった自治体も総務省は特産品じゃなければだめだと制限を掛けようとしていてかわいそうになりました(今見たらその商品はふるさと納税のポータルサイトには見当たらなくなっていました)。
また、あのネットショップのようなポータルサイトは民間が運営しており、そこに登録するための手数料も自治体は支払わなければなりません。そこまでしても頑張らなければいけないのは、「頑張らなければ他の自治体にふるさと納税されてしまう」からです。
自治体一人負けのふるさと納税制度
この制度は自治体が犠牲になって我々を得させてくれる制度です。ふるさと納税額日本一の自治体など、ふるさと納税を多く獲得している自治体はよくニュースになったりしていますが、当然、ふるさと納税によって他の自治体に税金を取られてしまっている自治体もあります。しかも、返礼品のための費用、ポータルサイトに登録するための費用、発送費用等々、この制度を維持するためのコストは自治体が負担しています。 ふるさと納税に関する現況調査結果(令和元年度) によれば、その額は実に2,820億円にのぼります。自治体全体が獲得できる税金は、その分マイナスです。
ふるさと納税によって税金を他の自治体に吸い取られてしまっている自治体は、実は総務省が上位ランキングを公表してくれています。
想像するとわかりますが、人が沢山住んでいる都会の方がふるさと納税制度を利用しようと思っている人も多いので出てくるのは都会ばかりです。東京が圧倒的に多いのですが、23区に別れているので、マイナスになっている最大の都市は横浜市になっています。このランキングには到底上がってこないような小規模な自治体でも、かなり税収を取られてしまっている自治体があるかもしれません。
「ふるさと納税したのに確定申告を忘れてた!」という方、5年前まで還付申告が可能です。還付申告についてご相談があればお問い合わせフォームからご相談ください。初回のご相談は無料です。