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【事業再構築補助金】事業計画におけるSWOT分析の重要性。公募要領徹底解説

事業再構築補助金の公募要領「10.事業計画作成における注意事項」にはSWOT分析についての記述があります。「え?そんな記述ないけど…」と思われた方は是非この記事を読んでいただければと思います。「確かに。でもSWOT分析についてよくわからない」という方にもおすすめです。

事業再構築補助金の概要については以下の記事を参照ください
事業再構築補助金を徹底解説【申請代行】【申請支援】

SWOT分析とは

SWOT分析とは事業を取り巻く状況についての分析です。Strength(強み)Weakness(弱み)Opportunity(機会)Threat(脅威)の頭文字をとってSWOTです。公募要領にはSWOTという言葉は出てきませんが、以下の記述があります。

○ 申請する事業再構築の類型について、事業再構築指針との関連性を説明してください。
1:補助事業の具体的取組内容
① 現在の事業の状況、強み・弱み、機会・脅威、…(後略)

事業再構築補助金 公募要領

経営分析では一般的な分析で、中小企業診断士であれば知らない人はいません。強み・弱みは企業の内部的な要因、機会・脅威は外部的な要因です。強み・機会はポジティブな要素、弱み・脅威はネガティブな要素であり、内部外部という軸とポジティブ・ネガティブという軸でMECEな分析になっています。

MECEとは

MECEというのは、「漏れなくダブりなく」という意味です。「Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive」の略になります。SWOTとかMECEとか日本語使ってほしいと思われるかもしれませんが、こういった言葉は経営分析ではよく出てくるので慣れておいた方がいいと思います。中小企業診断士の間では普通に使われる言葉です。

分析や論理的思考において、MECEであることは常に意識しておかなければいけない重要な要素です。これができていないと論理の綻びが生まれてしまい、簡単に論破される隙を生んでしまいます。

SWOT分析の例

S(強み)は例えば「他社にまねできない技術力」「卓越したデザイン力」「圧倒的な価格競争力」といった他社にはない自社の優位性です。逆にW(弱み)は「高品質を維持するため高価格になってしまう」「デザイン力が高い反面完成までに時間がかかる」「製品の品質をアピールするマーケティング力が無い」といった弱点の部分です。ちなみに他者にアピールする際にはネガティブな部分を単純にネガティブに表現するのは得策ではありません。ネガティブな要素はポジティブな要素の反動で生まれてしまう、という形で表現することでネガティブな要素の説明の中にもポジティブな要素を入れるべきです。

O(機会)としては「景気の回復」や「○○需要の増加」といった会社とは関係ない外部のプラス要因です。逆にT(脅威)としては「景気の悪化」「コロナウィルスによる外出の減少」といったものです。脅威についても、他社にアピールするケースでは一見すると脅威だけど見方によっては機会にもなり得る要素を入れておく方が効果的です。

事業再構築補助金におけるSWOT分析

事業再構築補助金におけるSWOT分析ですが、重要なポイントは「普通に企業のSWOT分析をすればいいわけではない」という点です。何のためにSWOT分析をするのかについて考える必要があります。通常は「SWOT分析を行った結果、こういうアクションを取るのが効果的」ということを考えます。しかし、事業再構築補助金においてはこの順番ではありません。新事業にチャレンジしようと思ったとき、SWOT分析を行って決めたわけではないと思います。

事業再構築補助金におけるSWOT分析はほとんどの人にとって「なぜその新事業を実施する価値があるのか」というのを説明するための後付けのものになります。この順序の違いが与える影響として、SWOTのすべての要素が新事業につながるように分析する必要があるということです。

自社にはこういう強みがある→だから新事業にチャレンジしたいと思った
自社にはこういう弱みがある→それを補うために新事業にチャレンジしたい
外部環境にこういう機会がある→だから新事業は成長する
外部環境にこういう脅威がある→新事業にチャレンジすることで脅威に対抗できる

上記のようなストーリーにする必要があり、順序としては新事業ありきでSWOTは後付けになるため

新事業に生かせる強み
新事業がカバーできる弱み
新事業が成長できる機会
新事業が対抗できる脅威

について記載する必要があります。SWOTを漏れなくダブりなく記載しようとするともっといろいろな要素があり、場合によっては新事業を否定するようなSWOTがあると思いますが、限られた紙面ですべてを網羅したうえで吟味する過程を記載するのは不可能です。簡潔に要点を絞り記載するべきです。

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当事務所の支援の考え方は以下の通りです
【事業再構築補助金】認定支援機関にどこまで申請に協力してもらう?3段階の支援依頼