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階層構造にならざるを得ない組織の形

よく「お役所仕事」という言葉で役所の仕事というのは揶揄されます。縦割りやたらい回しなど、非効率な組織運営、融通が利かないなどといった批判を受けがちです。

しかし、全員の顔が分からないぐらいの大規模な組織になってくると、どうしてもこのような状況になってしまいます。それぞれが個人の勝手な判断で業務を遂行してしまうと質はバラバラになり、誰が何をやったのかわからないので誰も責任を取れません。こうして、必要に迫られて役所は官僚制組織というトーナメント表のような組織の形が出来上がっていきます。

融通が利くと責任範囲が曖昧になる

現場担当者が個々の個別の事情を汲み取って、融通を利かせると、そのサービスを受ける人の中に得する人と損する人が出てきます。つまり、現場担当者の質によって受けるサービスにも差が出てきて、そのいいサービスを受けるか悪いサービスを受けるかは運に左右されることになります。

また、現場担当者に判断の責任を負わせることになり、組織全体の判断が部分最適の極致になってしまいます。例えていうなら、人間の体で指先が勝手な判断でそれぞれが動いてしまうような感じです。今私がこうしてキーボードを打って文章を作成しているのは、指先が脳の指示に忠実に従っているために他なりません。指先が勝手に動いてしまうといくら脳内で文章を組み立ててもそれを表現することはできません。

体で考えるとわかりやすいですが、脳の思った通りに体全体を動かしたかったら、体の各部位は個性や判断を殺して脳の指示に忠実に従うしかありません。指先に相談に来た人は、指先が自分で判断して反応して欲しいと思うかもしれません。しかし、それは相談に来た人の都合です。指先としては脳の指示を待たないと勝手に動くことはできません。

それでも自律的に動いてほしいと願う経営者

しかし、一方で経営者は組織の末端まで各自自律的に判断して行動してほしいと願っているのもまた事実です。しかし、突き詰めて考えていくとこの自律的に動いてほしいという願いは「(自分の都合がいいように)自律的に動いてほしい」という事で、まるで自分の頭の中を理解しているように、自分の分身がたくさんいるように動いてほしいという事です。

もう一度体で例えるなら、自分が「のどが渇いた」と頭で考える前に体が勝手に動いて飲み物を取ってきて欲しいとか、寝ている間に仕事をこなしておいて欲しいとか言った願いです。体とは違うだろうと思われるかもしれませんが、体は約60兆個の細胞が寄り集まって形成され、脳の指示に従って一糸乱れぬ統制のもと動いている超巨大組織です。

もちろん、脳が全てを指示しているわけでは無く、自律神経という脳がいちいち指示しなくても生命維持に必要な行動をとるようにできています。組織でも、体のように自律的に動く部分が自律的に動いてほしい(いちいち意識しなくても呼吸はしてほしいとか心臓は動いてほしいといったような、正しい情報が収集されて欲しいとか、支払処理を滞りなく各自で実施して欲しいというような願い)というのは妥当な願いだと思います。そういった部分と、寝ている間に仕事をしておいて欲しいみたいな願いが混在してしまっては問題です。組織でいえば、「各自で戦略を考えて行動してほしい」みたいな願いです。

作戦と実行も階層構造になっている必要がある

組織が巨大になってくると、組織の階層構造が生まれるのはやむを得ない事ですが、同時に情報についても階層構造になっている必要があります。おおもとの作戦は組織の最上部である経営層が考え、作戦を実行するための具体的なアクションを一階層下に指示します。一階層下の管理者層はその指示に従って作戦を立て、具体的なアクションを考え、さらに一階層下に…といった形です。

つまり、最上層部の作戦というのは非常に大きな目的を達成するための作戦です。それは作戦なので、願望とは違います。具体的なアクションも必要です。例えば、「ノーリスクハイリターンで」というのは願望ですが、「競争力を高めるため品質と営業力を重点的に強化する」というのは作戦です。

全てはその経営層の作戦に沿って決まっていないといけません。逆いえば、係争の作戦はそれ以下の階層が矛盾や対立を起こさずに実行に移せるものでなくてはいけません。それはシンプルなわかりやすいアイデアである必要があります。


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