経営に役立つ情報を知りたい経営者の方向けの記事

税理士に依頼すべき3つのこと

「税理士=申告作業の外注先」という意識で税理士を探していると、大損してしまいます。税理士が申告作業の外注先という認識でいいのは、経営者自身が税理士と同レベルで会計や税金に関して興味と知識があり、顧問料を支払う以上の対価を得られないという場合だけです。税理士に申告を依頼する経営者でそのレベルの方はいらっしゃらないと思います。そのレベルであれば自分で申告できてしまうため、わざわざ高額の申告報酬を支払う必要はないからです。

税理士には申告だけしてもらえばいいのか

経営者は色々なことを考えなければいけません。全てを一人でやろうとすると時間がいくらあっても足りませんが、何を誰に頼めばいいのかというのは費用対効果で考える必要があります。誰かにお金を払って頼むことでリターンが大きくならなければその投資は失敗していることになります。

税理士に申告業務だけ頼んだ場合、その対価として得られるのは時間です。税務申告は経営者自身でやり方を勉強して行うことも可能です。しかしそれをやるには膨大な時間をかけて税法を学び、間違いなく申告書を作成するためにまた時間をかけなければいけません。その時間をビジネスに使って、一件でも新規案件が取れる、一件でも仕事を完了させられるのであれば、税務申告を依頼する価値があると言えます。

申告だけ依頼すると得られないもの

税理士からすると、申告業務だけの依頼の場合であれば申告の時期にデータを貰って申告書を作成するだけです。しかし、顧問税理士として雇った場合には、それ以上の価値を提供する必要があります。

顧問税理士を雇うことで依頼できること① 節税の提案

まずわかりやすいのは、節税や課税の繰り延べを提案することにより、会社のキャッシュフローを改善することです。顧問税理士に払う報酬のトータルがこの節税によるキャッシュフロー改善を上回るのであれば効果が高いと言えます。大幅な節税策があればいいですが、毎年なかなかそこまで大きな節税が望めるアイデアというのはありません。

顧問税理士を雇うことで依頼できること② 補助金等の提案

補助金の申請の支援までやる税理士とやらない税理士といますが、少なくともこういった補助金があり、チャレンジする価値があるのではないかと提案するところまでは税理士の範疇かと思います。補助金の申請支援はどちらかというと中小企業診断士がよくやっているイメージです。

顧問税理士を雇うことで依頼できること③ 決算書のチェック

決算書の会計処理が間違っていないかのチェックはその会社を健全に成長させられるかどうかを担う重要な要素です。記帳代行をやる税理士であれば決算書自体を税理士が作成することになりますが、別の記事でも書きましたがデメリットの方が大きく全くお勧めできません。

会計処理は会社自身でやるべきで、それを税理士にチェックしてもらうという形が理想的です。公認会計士出身の税理士のほうが、会社に対してより厳しい目で会計処理を行おうとすると思います。会計処理は意外なほど恣意的な操作が可能で、会社だけで決算書を作成すると徐々に自分に甘い処理をやってしまいがちです。最初のうちはそれも大した影響はないかもしれませんが、徐々に取り返しのつかない規模になってしまい、そのつもりは無くても粉飾決算になってしまっている可能性があります。

そういった処理にブレーキをかけるのも税理士の仕事です。お金を払ってなんでわざわざ自分に不利になるようなことを言われなければならないのかと思われるかもしれませんが、短期的に不利に見えることでも長期的に見た時に厳しい(保守的な)会計処理をやっておかないと、やがて取り返しがつかないことになる可能性が高まります。

この業務にどれだけの費用対効果があるのか、会社の問題を早期に発見し是正することで永続的に成長できる企業になったらその価値は計り知れませんし、会社をゾンビ化させず早々に撤退の判断ができることで浅い傷で済むのであればそれはそれでメリットがあります。