経営に役立つ情報を知りたい経営者の方向けの記事

給与計算の全自動化は可能か

給与計算に必要な勤怠データ

給与計算というのは、基本的に固定給+残業代で計算されますが、アルバイトのような時給計算、残業時間の規制に従っているかどうかのチェックなど一見単純な計算に見えて複雑な要素が入ってきます。

また、人によって住宅手当や技能手当など勤怠データと紐づかないものが入ってきたり、通勤費があったりと、機械的な計算ができそうでできない分野になります。一方で、給与計算は必ず毎月発生し、かつ従業員の数だけ計算が必要なため、従業員の数が多ければ多いほど業務負荷が高くなる業務です。

勤怠データをいかに正確に効率的に収集するか

勤怠データと連動しない給与に関しては別途計算するにしても、給与計算に最も重要なデータは勤怠データです。この勤怠データの収集に各企業は頭を悩ませているのが現状です。勤怠データの収集によく使われているのはタイムカードですが、打刻忘れ、代理打刻など正確に勤怠データを集められない欠点があります。

特に打刻忘れは、例えばパソコン上で打刻するケースであったとしても、自己申告で勤怠情報を入力するケースでは日常的に発生することになります。また、コロナ禍で急速に広まったテレワークではタイムカードのような場所に依存した勤怠データの収集方法は無効化されてしまいます。

勤怠データの収集で理想は、例えばパソコンを必ず使う仕事であれば、パソコンを立ち上げたら業務開始を認識し、顔認証等で離席の状況等をモニタリングしてパソコンを閉じたら退勤を認識するなど、従業員が日常業務を実施していると自然に勤怠情報が集まっているというものになります。

つまり、勤怠情報を従業員が意識することなく収拾されていれば、打刻漏れのようなものは発生せず、人為的ミスが発生しない正確な勤怠情報を収集することができます。しかし、そこまで自動的に勤怠情報を収集できるようになるのはまだ先だと思います。

最新のもので、職場の入口で指紋認証や顔認証による打刻といったレベルではないでしょうか。現時点では、ジョブカンや人事労務freeeのような勤怠管理システムを利用した人力の打刻が限界です。それでも、一昔前に比べて勤怠管理は随分と進化している印象です。

今後も、勤怠情報をいかに負荷が少なく効率よく収拾できるのか、技術的な進歩を追いかけていきたいと思います。