青色申告ができない独立直後の事業主
先日、freeeの問い合わせ窓口経由で税理士を探している春日市の事業主の方から連絡があったため、お話を聞いてみました。
まず驚いたのは、「freeeを使われていますよね」と聞いたところ「え?それはなんですか?」とfreeeのことを全く知らなかったことです。freeeの問い合わせ窓口経由だったので当然freeeユーザーだと思っていたのですが、存在すら知らないとは…そんなこともあるのかと思いました。
そして、昨年の申告がまだ終わっていない、白色申告等々、私から見ると色々と本来であれば得ができることをみすみすスルーしていると思われることがたくさんありました。税務に関する話はほぼご存じなかったため、一旦資料を渡してもらって少なくとも昨年の申告は早々にやるべきと思ったので申告の準備を進めることになりました。
もし、青色申告を最初から選択し、freeeを使って貸借対照表まで作成していた場合、65万円の青色申告特別控除が利用できていました。さらに、青色申告専従者給与の届出を出し、源泉徴収が不要な月額88,000円の給与を奥さんに支払い、会計帳簿の記帳をやっておいてもらえば約100万円の経費計上が可能でした。月額88,000円に対応する業務として、経理業務は妥当な作業だと思います。そういった最低限の手続だけでも相当な節税効果がありますが、「知らなかった」というだけで余計な税金を支払うことになってしまっています。
「知らない」「面倒くさい」のであれば頼む価値あり
その個人事業主の方も、私の話を聞くにつれもっと早く相談すればよかったと言わんばかりに「相談して本当によかったです」と感激していましたが、税理士としてはごく普通の対応です。
税理士と顧問契約を締結するというのは決して無駄な費用の垂れ流しというわけでは無く、本業に集中し時間をかければ売り上げや利益を伸ばしていくことができ、税務のようなことに全く興味が無い方にとっては本当に役に立ちます。心に重くのしかかる「やらなきゃいけないのはわかっているけど」というプレッシャーと、考えるだけで頭が混乱するような暗澹たる気持ちを晴れ晴れとした気持ちにすることができます。
逆に節税が大好きで、国の補助金や給付金を調べて申し込むことを全く苦も無くやることができる人は、あまり税理士を雇ってもメリットを感じないかもしれません。決算書の会計処理をより正しくできるようにアドバイスでき、収支予測についてアドバイスもできますがそれらは目に見えて利益をもたらすものではありません。もちろんそれによって売上を伸ばすアイデアに気付くことができる可能性はありますが、確実なものではないため費用を負担するメリットを感じにくいと思います。