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変額保険の歴史

金融の自由化・ニーズの多様化により生まれた変額保険

変額保険というのは、生命保険会社が資産運用した結果儲かった分も損した分も将来受け取る保険に反映されるという仕組みの保険です。変額保険の反対は定額保険ですが、定額保険は生命保険会社が資産運用に成功しようが失敗しようが一定額が保証されている保険です。

変額保険は、日本では1986年10月に発売が開始された保険で、払い込んだ保険料よりも多く返ってくる、保険をかけたはずなのに儲かる可能性があるという不思議な保険です。もちろん、リターンとリスクは表裏一体なので、儲かる可能性があるという事はその分定額保険よりも損をする可能性もあります。

世界では1956年にオランダで発売されたのが初めてで、経済が成長していく中で銀行・証券などが相次いで成長に伴い資産も増える金融商品を開発し、それまでの「貯蓄機能と言えば生命保険」という常識が覆り、銀行・証券会社に個人の資金が流入していきました。

生命保険会社は銀行や証券会社に顧客を奪われていくのを止めるため、経済成長と連動して顧客が恩恵を受けられる保険商品「変額保険」を開発・販売するに至りました。

今後経済が成長するという局面で購入が増える

私の理解では、変額保険というのは保険機能を有している投資信託のようなもので、資産運用のプロである生命保険会社が運用している金融商品です。長期的に経済は成長するという前提に立てば、保険でもあるので長期保有しておくことで比較的増加する可能性は高いのではないかと思います。

ちなみにテキストを見る限り、死亡・高度障害時に出る保険金は、基本保険金額として決まっている金額を運用に失敗して割り込んでも基本保険金額の分は出るようです。逆に、運用に成功して増えている時は、増えた分も含めてもらえるようです。

長期的に保有するのであれば、経済が成長するインフレ局面で金額が一緒に増えていく仕組みになっていないと、物価が上昇していく中で保証金額が変わらないといつの間にか十分な保険になっていないという事になりかねません。この点、減少リスクはあるにせよ物価上昇リスクについていける変額保険は定額保険よりもいいのだろうと思います。

この話は、住宅ローン金利を固定金利にするか変動金利にするかという話と似ていて、将来になってみないことにはどちらがより有利だったのかはわからず、自分たちの判断・自己責任で正しいと思う方を選択するしかありません。