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会計事務所とITの関係

会計(簿記)は非常にシステムと相性が良く、システムによる情報管理が始まったかなり初期の段階から財務会計システムというのは存在していました。金額という定量データと貸借一致の原則などシステム的に管理しやすい一貫したルールがあり、手書きによる記帳よりもはるかにシステムの方が効率的に管理できます。

しかし、一方で会計事務所は旧来通りの紙によるチェックからなかなか脱却できず、いまだにわざわざ紙で出力して顧客に提出するという慣習が残っているところも多くあります。これは、会計事務所が効率化しなくともやっていける独占業務であったことや、紙で渡した方が目に見えない税務業務に対して報酬を払ううえでやった感があるといった見た目の話など、様々な事情があるのだと思います。

会計システムによってはいまだにデータ出力が表の形になっておらず、帳票のような見た目でしか出力できない会計システムがあります。データを加工して分析を行うことを想定していないというちょっと驚くべき状況なのですが、逆に言えばそのような状況でもやっていけている業界で、ある意味競争が少ない業界と言えます。

こういった、創意工夫の余地が明らかなのにそこまで頑張らなくともやっていけてしまう業界というのは、ちょっとした工夫で大きな競争力を得やすいため、ITを利用した効率化により差別化しやすいチャンスが多い業界と言えます。

会計事務所の工数を増加させる要因

要因①:手入力の時間が多い

よく記帳代行はしない方がいいという話がありますが、それは付加価値が低い作業に時間を取られるためです。顧客は会計事務所が正確に会計処理を行い決算書を作るのは造作もないこと、間違えずに作れて当たり前と考えているため、その作業にどれだけ時間をかけても高い報酬を払おうとは思いません。

ではこの記帳を行うのに時間がとられる理由はなんでしょうか。それは紙(領収書等)から情報を人間が読み取って、人間の手で入力しなければならないからです。1枚当たり1分だとして、500枚で500分。丸一日かかります。つまり、この神から人が見て入力するという作業をいかに少なくするかというのが、工数を減らすポイントになってきます。

これは、記帳代行を絶対にやらない会計事務所にとっても考えなければならないテーマです。そもそも、記帳代行にニーズがあるのは、手間がかかるためです。記帳代行を依頼すれば当然顧問料は上乗せされます。しかも、その上乗せ額は税理士から見ても取られる時間から考えると割に合わない額で、お互いLose-Loseの関係です。しかし、記帳代行に手間がかからないのであれば、顧客はわざわざ頼むまでもないと感じるでしょうし、仮にそれでも頼みたいと言われた場合でも、同じ上乗せ額で少ない労力であれば税理士側で採算がとれる可能性が高まります。

要因②:進捗状況の把握ができていない

業務品質という意味で、業務のステップに漏れが無いかを確認するのは重要になってきます。この進捗状況の管理もITの力で効率よくできるようになります。進捗のチェックリストを作成し、グラフを用いて誰が何をどれだけ進めているかを進捗状況を見える化することで、先手を打って役割分担を柔軟に変更することが可能になります。この結果、工数自体は同じですが、「知っていたら手伝えたのに!」という余っていたはずの工数の空費がなくなり、ピーク時の工数を分散できる可能性があります。

また、報酬に対してかかっている工数も見えるようになれば、一つの業務に対してどれぐらいの単価で動いているのかが分かるようになり、不採算の業務と採算が取れる業務がはっきりとわかるようになってきます。この工数がかかる割に儲からない(もらえる報酬が少ない)仕事を多く抱えることは工数を増加させる要因になります。

同じ付加価値をより少ない工数で

監査業務も税務業務もコンサルティング業務も労働集約的な仕事の宿命で、人が動いて時間をかけなければ成果を出せません。同じ付加価値をより少ない工数で提供できることが、事業を成長させる重要なポイントになってきます。そのためには、顧客にも変革を求めなければならない場合があり、それを実は顧客も望んでいるケースもあると思います。


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