節税や税務について知りたい経営者の方向けの記事

貸借対照表の現金勘定がマイナスになってしまう個人事業主

スタートアップ相談員の2回目に行って…来ずに事務所から行いました

本日は17時~20時まで、スタートアップカフェの相談員の当番の日だったのですが、先日電話があり「Web会議でやってほしいんですが…」とお願いされました。使うソフトはGoogleのハングアウトということで、使ったことはありませんでしたが、選択肢は①Web会議、②電話会議、③普通通り対面ということで「無し」というのは無かったので、この中では①かなと思い引き受けることにしました。

ところが、こちらの音声が向こうに届かず、結局音声は電話でやり取りを行うことになりました。ほぼ電話会議状態です。Web会議でも画面共有しない限りは同じ資料を見ることはできず、相談に来られる方もそこまで使いこなせていないため、対面よりやり取りできる情報はかなり少ない気がしました。一方で、私が分からないことをリアルタイムで調べるのは対面の時よりやりやすく、比較的スムーズに回答できたように思います。

ハングアウトのWeb会議としての使い勝手はほぼZoomと変わらない気がしました。こうしてみると、Web会議ツールはたくさんありますが、1対1で行う場合はどれもあまり変わらないと思います。

「今から申告しようと思うのですが」というご相談

そんなこんなで相談に応じていましたが、「今から申告しようと思うのですが」というご相談があり「所得税の確定申告ですか?」と確認してしまいました。確かに、納期限はさらに延長されたのですが、その前の4月16日期限は今日なので、相談のタイミングがギリギリ過ぎて驚きました。おそらく電子申告で、夜12時までに申告すれば間に合うと判断されてのことか、さらに延びたことを知った上でのご相談かわかりませんでしたが、間に合うことには変わりないので問題はありません。

ご相談内容もfreeeの利用を前提としたご相談でした。私がfreee認定アドバイザーであることは伝わっていないはずですが、本日は3人中2人がfreeeのことを知らないと答えられない質問をされていました。

freeeは確かに安価で素人にもわかりやすくコンセプトも先進的なため個人事業主になりたての人が利用するにはうってつけなのだと思います。かなり浸透してきていると感じました。

肝心の質問の内容は、申告するにあたって何かおかしいところはないか見て欲しいということだったのですが、細かい数字などは画面共有も特になく見ることができなかったので質問にお答えするだけでした。この辺も、対面ならどうなってるか見せてもらえたと思うのでWeb会議との差を感じました。

そんな中、決算書で「マイナスになっている所はありますか?」聞いてみると「現金がマイナスになっています」と言われました。昨年退職して独立したばかりということで、事業用の資金等も特に準備されずに事業を開始されているようでした。

このため、現金の支払いを「○○費 ×××円/現金 ×××円」という仕訳を現金が0円なのに切ってしまったのだと思います。開始残高についても開始時に何もないところから始めているということでしたので、開始残高は全てゼロからスタートしていることになります。

現金勘定がマイナスというのはあり得ない

こういった場合に、何か物を買うとなると貸方勘定科目は「現金」ではなく「事業主借」ということになります。つまり、個人事業主の事業からの支出ではなく本当の個人の財布からお金が出てきたということです。存在しない現金が支払われることは無いので、それ以外に考えられません。今回現金がマイナスになってしまったのも、そういったわけでマイナス分は少なくとも個人の財布から出ているはずなので、事業開始時のタイミングで「現金 ×××円/事業主借 ×××円」という仕訳を切っていただいて一旦その金額は事前に事業に補填しておいたという体で現金勘定を0にしていただきました。

こういった話は、システム的な理解と会計・税務的な理解の双方が必要になります。システム的な理解が全くない人だと、「現金勘定がマイナス!?そのシステム壊れてますよ!」というアドバイスをしかねません。さすがにそこまでシステムに理解が無い人は今の時代はいないと思いますが、もっと複雑なケースになってくると「システムが壊れている」「使えないシステムだ」とシステムのせいにしてしまう人はいると思います。

テレワークのWeb会議機能に習熟する話もしかり、ますますITの知識が重要な世界になっていると感じます。