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ITと業務効率化の切っても切れない関係

ITをどのように利用するかというテーマについては、パソコンが一般に普及し始めてから数十年、延々と人類全体(というと大げさかもしれませんが)が頭を悩ませ続けていることのように思います。

私も社会に出た時からこのITをどう利用するのかということについて、仕事としてかなりの時間を費やすことになっています。プログラムが何なのかも全く知らなかった頃に、新入社員として研修所に行くと机に数冊のプログラムに関する本が置いてあり、「今からプログラムを組んでもらいます」と簡単な環境設定のレクチャーの後、テキストファイルでJAVAのプログラムを組まされたのが20年前。プログラミングのスキルはそれほど成長しませんでしたが、ITがどういうものなのかというのはわかるようになりました。

一般的に私がかかわってきたITには大きく2つのことが求められています。

・欲しい情報を取り出したい
・より短時間に楽に事務処理を行いたい

私は事務処理作業にかかわるIT(財務会計システムや、販売管理などの業務システム)の導入を専門にしていたため、この二つのニーズ以外に出会ったことがありません。工場のロボットなどにかかわるとその限りではないと思いますが、事務処理を目的としたITは上記2つが中心的なニーズになります。

もっというと、この二つのニーズは下記のような関係になっています。

欲しい情報を取り出したい→情報を収集し、入力し、加工するのは手間がかかる→より短時間に楽に事務処理を行いたい

つまり、欲しい情報を取り出すことをITによって効率化したいということです。言葉にすると「当たり前のことじゃないか」と思うかもしれませんが、これを実現するのは思いのほか難題です。

難題である理由①:欲しい情報が分かっていない

欲しい情報は何だろうかと考えた時に、本当に欲しい情報は「売上をアップさせる情報」だったり、「コストを削減する情報」だったりといった、「経営意思決定に有用な情報」だったりするわけですが、ITの力で集める情報は飽くまで事実に過ぎません。発生した取引が記録されて、加工は可能ですが例えば「本来の可能だった売上は○○円で、実際の売上は○○円です。差が生じた原因は○○です、○○を実施することで売上は○○円アップします」といった情報は提供できません。ところが、ITのことをよくわかっていない人からすると、「そういう情報が提供されないなら意味が無いじゃないか」「こんな当たり前のことしかできないのにこんなにお金がかかったのか」と期待ギャップに陥ってしまいます。

そこで、コンサルタントを雇いそういう情報を提供してもらおうとするのですが、それも非常に難しいです。なぜならコンサルタントは各社の内情、業務をよく知らないため、できることは教科書通りの分析になります。いまいち自社の状況に合わないピンとこない分析結果を受け取り「こんな当たり前の(以下略)」ということになってしまいます。コンサルタントを雇う際に自社からもプロジェクトメンバーを出して、仮説を自社のプロジェクトメンバーが立て、コンサルタントが仮説を検証し、その結果から仮説を修正し、といった協業を行わなければ望む結果は得られません。それではお金を払ってまで雇った意味が無い、自社の社員でもできるということであればコンサルタントを雇わない方がいいと思います。自社の社員は忙しいからコンサルタントを雇ったんだというのであれば、具体的に代わりにやってほしいことを指示しないといけません。しかしそのために雇うには高価すぎます。

難題である理由②:ITで自動的に効率化されるわけでは無い

もう一つの難題は、よくある誤解ですが、「ITを導入しさえすれば効率化される」と思い込んで話が進んでしまうパターンです。システムを導入した結果、前よりも作業が煩雑になり、時間もかかるようになってしまうことはよくあります。そういう状況に陥るのは、「今まで求めてこなかった詳細情報まで新システム導入で入れて欲しい」という管理部門の要望があって単純に必要な作業が増えたり、慣れていた旧システムから新システムに変わることで、使い方がよくわからず習熟に時間がかかるという場合だったりします。

詳細情報を入れて欲しい情報を手に入れたい、新システムで効率化されるから生まれた余力で詳細情報を入れられるはずだというのが、理屈ですが実際には新システムに移行したことで慣れないうちは効率化どころかより時間がかかるようになりますし、さらに詳細情報まで入れなければならなくなり業務が回らないという事態になりかねません。

その結果、「このシステムは使えない」という認識が現場に広がると、強制的に使わなければ業務が進まないという仕組みにしなければ使われないことになります。そもそも、旧システムよりも新システムの方が効率化されるという保証はどこにもなく、思い込みである可能性もあります。

理想はデータに始まりITですべて完結する仕組み

取引のスタートになる発注書や請求書、納品書、契約書、領収書といったものは紙であることが多いと思います。これをデータ化する際に人の手が必要になります。この部分を最初からデータで受け取ることができれば、まずはかなり効率化されます。次に、データ化したものを複数のシステムに入力しなければならないとき、システムごとに手入力しているような状況であればシステム間でデータ連携を行えればそこも効率化になります。

事務処理におけるITに関する効率化というのはできるだけ人の時間がかかる部分を排除できるかにかかっており、副次的な効果として人が入力するとどうしてもミスは避けられないのが、自動化していくことで正確性もアップしていきます。他方で、間違えたら全部間違えるというリスクも当然ありますが、そこは検証を重ねてでも正確な処理ができるようにするべきで、全部間違えるのが怖いから自動化しないというのは時代に逆行していると思います。

ITを導入する際に注意しなければならない2つのこと

ITを導入するにあたっては「どういう情報をアウトプットするか」「その情報を手に入れるために、いかに人の手を介さない方法を考えるか」が必要になってきます。

難しいのは「どういう情報をアウトプットするか」で、実際アウトプットしたら思ったより役に立たなかったということになった場合に修正が利くかどうかもポイントになります。アウトプットする情報がきちんと決まればそれに沿っていかに楽に情報を集めるかを検討しやすいですが、「これもいるかも、あれもいるかも」と集める労力のことは考えずにできるだけ様々な情報をできるだけ詳細に集めようとすると、結局現場に負担がかかってしまい、IT導入の効果を現場は実感できず「ITは余計な仕事を増やすもの」という評価をされてしまいます。


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