節税や税務について知りたい経営者の方向けの記事

顧問税理士を雇うライン

所得が大きくなるほど節税効果は高まる

顧問税理士の報酬は様々ありますが、大体月額顧問料が3万円~5万円、決算申告が6ヵ月分ぐらいが、いわゆるちゃんとした顧問として節税対策のアドバイスや月次の訪問等を行って経営の支援を行う税理士の相場というのが肌感覚です。

よく、月額1万円~と謳っている税理士のホームページを見ますが、これは本当に必要最低限で訪問も行わずというケースで、かつ償却資産税申告が必要であれば+〇万円、年末調整が必要であれば+〇万円といった感じで、ある程度の規模の会社であれば当然やる作業についても別オプションとなっているケースがほとんどだと思います。

相場の感覚で計算すると、顧問税理士に支払う報酬は大体年間54万円~90万円の間ぐらいで、税理士のアドバイスによりこの金額以上の節税効果が期待できる場合、補助金の獲得支援(別途成功報酬は取られるでしょうが)等で得られる金銭的メリットがこの報酬を超えてくるのであれば間違いなく雇った方がいいということになります。

また、この報酬を超える金銭的メリットが無かったとしても、申告作業のために人を雇うと考えた時に金銭的メリット+申告作業の代行手数料が自分で申告作業をやるよりも払う価値があると考えれば雇った方がいいということになります。

個人事業主の場合、所得が900万円を超えたあたりから

個人事業主の場合所得税の累進課税制度の影響を受けますが、695万円を超えて900万円までが23%、900万円を超えて1,800万円までは33%と、900万円を超えたあたりから税率が跳ね上がるため、900万円~1,800万円のエリアの所得があるあたりから、100万円節税できれば33万円、200万円節税できれば66万円となってくるため、そういった節税のアイデアをよく知っている税理士に頼むことで税理士報酬を超える節税メリットを享受しやすくなります。4,000万円を超えた最高税率は45%でそこまで所得があれば数百万円の節税は比較的簡単にできると思うので、200万円で90万円の節税効果があり、お金持ちほど得をしやすい状況になって行きます。

法人の実効税率は大体30%程度

法人税も色々と税率の計算が必要ですが、大体30%程度と言われています。したがって、200万円で60万円の節税効果、300万円で90万円の節税効果が期待できます。法人は従業員を雇っていれば福利厚生費という従業員に還元することで費用計上できる勘定科目が使えるため、比較的節税もやりやすく、また法人になってくると規模も大きくなってくるため(個人事業主のまま大規模になる人もいると思いますが)、金額ボリューム的にも節税の効果を上げやすくなります。

また、個人事業主が所得900万円から累進課税で33%になり法人税の実効税率を超え始めるため、税制の観点からは所得1,000万円あたりが法人化するかどうかを検討する分岐点になるようです。もちろん、税制は関係なくとにかく信用のために株式会社化したいとか、別の理由で法人化する場合はこの限りではありません。

節税について考えるのが好きかどうかも検討要素

節税について、いろいろとスキームを考えるのが好きな社長である場合、税理士が入ってもほとんど追加で節税するような余地が無い場合があります。そういった場合は、節税効果による金銭的メリットはないためあまり税理士に頼る必要が無く、申告だけ依頼した方が特になる可能性があります。ただ、社長がいかに税金を払わずに済むかに貴重な時間をかけすぎると、本業の業績を伸ばすためにかけるべき時間が奪われていくため、基本的には専門家に任せて本業に集中した方が結果的にはプラスになるのではないかと思います。