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交際費等の損金不算入という考え方

損金というのは税務上経費として認めてもらえる金額のことです。損金不算入というのは、実際にお金を払ったにもかかわらず、それは損金に入れてはいけませんというルールです。

交際費は、プライベートなのか仕事の上のものなのかグレーなものが結構あります。例えば、接待と称して得意先を連れてキャバクラに行ったとして、それって営業の人がただキャバクラに行きたかっただけじゃないの?という疑問が残ります。第三者がその人がただキャバクラに行きたかったのか、得意先の接待のためにやむなくキャバクラに行ったのかはわかりません。もしくはその両方ということもあり得ます。

交際費はこのように使おうと思えば個人的な楽しみのために使うこともできることから、税法上は全額を経費としては認めないという措置を取ることで対応しています。

第六十一条の四 法人が平成二十六年四月一日から平成三十年三月三十一日までの間に開始する各事業年度において支出する交際費等の額のうち接待飲食費の額の百分の五十に相当する金額を超える部分の金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。

租税特別措置法

具体的には、交際費は「半分までしか損金として認めないよ」というのが原則です。資本金が1億円以下の法人であれば、800万円までは全額損金として認めてもらえます。個人事業主は法人ではないのでそういった制限はありません。

このため、法人の決算書上もその経費が交際費なのかそれとも全額損金になる別の経費なのかというのは重大な問題になってきます。

「感謝の集い」は福利厚生費か交際費か

最近、「自社に加え下請先である協力会社等の従業員全員を対象とした『感謝の集い』は交際費か否か」というのが裁判で争われました。

これは、法人が『感謝の集い』の費用を福利厚生費として計上し、損金として確定申告を行った際に、国税庁が「いやいや、これは交際費にあたるでしょう、損金としては認められませんよ」と指摘したことで、法人が「そんなわけない!」と裁判を起こしたものです。

この裁判の結果は、「費用は一人当たり2万円~3万円だし、行事が移動も含めて丸一日かかっていることを考えればそこまで多額とはいえない。福利厚生費として度が過ぎるとまでは言えないのでは」という判決でした。つまり、法人の主張を認める結果となりました。

この話の争点は福利厚生費として度が過ぎる金額か否かという部分でした。裁判所は度が過ぎるとまでは言えないという判断でしたが、逆に度が過ぎるという判断であれば交際費になり損金として認められなかったという事になります。

国税庁が絶対に正しいわけでは無く、判断基準に明確なラインはない

判決から分かるのは、国税庁が指摘したからと言ってそれが絶対ではないという事です。もうひとつは、「度が過ぎるかすぎないか」という何とも曖昧な基準で判決が下っているという事です。

度が過ぎるとかすぎないとか、「え?いくらからが度が過ぎてていくらから度がすぎてないの??」と思ってしまいますが、「社会通念上妥当か否か」という、会計や税務の世界でよく出てくる判断基準です。

この社会通念上の判断に対して、金額基準の判断というのは一見わかりやすいですが、むしろこちらの方が現実の感覚とズレやすくなります。

極端な話をしますが、明治時代の初期の国家予算は2,000万円ぐらいでした。先ほどの資本金1億円以下の法人は交際費800万円までOKの話を明治時代に持って行ってしまったらほぼ無制限と同義です。このようにお金の価値というのは常に動いています。

金額で規定してしまうと、例えばインフレが起こって物価が2倍、3倍となってきたときに規定した金額が「社会通念」からどんどんズレていきます。日本は過去30年以上もの間物価があまり変わっていないため金額基準と社会通念がズレるというイメージがピンと来ないかもしれませんが、先ほどの800万円までOKのケースも、はるか未来には「少な!チロルチョコしか買えない!」という時代が来るかもしれません。


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