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次にやらなければならないことは何か?

「私は次に何をやればいいんですか?」

こんにちは。当ブログをご覧いただきありがとうございます。この記事では、過去の経験を基に考えたことについてご紹介させていただきます。

中小企業診断士は試験に合格すると、実務補習という試験合格者数名で実際の会社に訪問してコンサルティングを行う演習があります。私も実務補習でとある会社に訪問させていただきました。一通りコンサルティングの流れを説明し、何か質問はありますかと聞いた時だったと思います。

「私が明日から何をすればいいのか、何をしなければならないのか、そういうことを具体的に教えていただきたい」

先方も、我々が中小企業診断士の試験合格者という素人に毛が生えた程度の人間で、無償でコンサルティングをやってもらう前提なので、そこまで高望みをしているわけではありません。この言葉は、コンサルティングというのは、SWOT分析や5F分析などのそれっぽい分析を行って漠然としたことしか提案してくれない、という経営コンサルティングそのものへの不信感の表れだったのではないかと思います。

大手コンサルティングファームと中小企業診断士の顧問契約の違い

マーケティング、業務効率化、セキュリティ、コンプライアンス…打つべき施策は多岐にわたり、「やった方がいいこと」と「やるべきこと」の境もあいまいです。そんな中、少ない経営資源でやっていかなければならず、とても全ての施策をいっぺんに実施することはできないというのが中小企業の現状だと思います。

大手のコンサルティングファームだと、経営課題はすでに特定された後に、課題を解決するためにプロジェクトチームが編成されます。システム導入プロジェクト、人事評価制度構築プロジェクト、業務効率化プロジェクト等のプロジェクトです。その経営課題解決のための専門性の高いコンサルタントがチームを組んで対応するため、問題解決の質は高くなりますが大変高価な報酬が必要になります。

もちろん中小企業でもそのケースがあるでしょうが、中小企業診断士の顧問契約の形態では、毎月一定額の報酬を支払うことで会社の経営を常時モニタリングすることになるため、経営課題の優先順位の設定からかかわることができます。したがって、様々な経営課題の解決に臨機応変に対応できるというメリットがあります(それ以前に支払える報酬の関係等で大手コンサルティングファームと中小企業診断士はすみわけがされていると思いますが)。

例えばあくまでイメージですが、「会計システムの導入を進めていたけど、これってまず管理会計のやり方を決めないとダメじゃない?」という話になった時に、大手コンサルティングファームのプロジェクトチームでは「我々はシステム導入のためのチームなので、管理会計のやり方は御社で早急に決めて下さい」となってしまいますが、中小企業診断士の顧問の場合は顧問自体が色々やるというよりは社内の人と協力するようなイメージになるため「ではIT部門・経理部門の人はとりあえず待ってもらって、経営企画部門の人とまずお話ししましょう」となるイメージです。

まず何をやらなければならないかを決めるために

この臨機応変さが、冒頭の「まず何をやらなければならないか」を探るために重要になります。まず必要なのは何を最重要と考えるかですが、当事務所では「お金が投下されより大きなお金となって戻ってくるリードタイムをいかに短くするか」を最重要と考えています。リードタイムが短くなればなるほど、投資が成功したのか失敗したのかがいち早くわかるようになり、軌道修正が迅速にできます。また、成功した場合の成長スピードもこのリードタイムが短いほど早くなります。また、お金の状態で会社に残っている期間が延びれば急な資金需要にも対応しやすくなり、つぶれにくい会社になります。

お金がどのように流れまた戻ってくるのかを調べるためには企業のバリューチェーンを調査する必要があります。一番わかりやすいのは製造業ですが、原材料の仕入⇒仕掛品の製造⇒製品の製造⇒販売という一連の流れの中で、お金はまず原材料に変わり、仕掛品に変わり、製品に変わり、販売という形で債権に変わり、その債権が回収されてより多くのお金になって戻ってきます。

リードタイムが短くなる理想的な形としては、販売が確定すると同時に原材料が仕入れられる形、すなわち受注生産です。販売が決まっているので作るスピードが短くなればその分早く売れます。しかし、製品の生産に時間がかかるなど販売が確定するのを待っていたのでは間に合わないという状況も普通にあると思います。そこで、どれだけ在庫を持つのがいいのか、在庫が最小限であればあるほどお金の形で会社に存在する時間が長くなり、お金からお金までのリードタイムは短くなります。場合によって、まとめ買いの方が安くなるからといって、まとめ買いしていることがリードタイムを伸ばし結果として会社に損をさせている可能性もあります。

この話はあくまで一例ですが、当事務所と顧問契約を締結していただいた場合、まずは事業のバリューチェーンを明らかにし、決算書のデータ等の金額情報を基にお金の流れを最も滞らせている要因を特定し、その改善のために「次にやらなければならないこと」をご提案していきます。ご依頼は問い合わせフォームからよろしくお願いいたします。