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システム導入の失敗パターンとその回避策

サービス提供の考え方紹介

こんにちは。当ブログをご覧いただきありがとうございます。
この記事では、自己紹介も兼ねて当事務所がサービスを提供するにあたって、どういった考え方でアプローチしようと考えているのかについて紹介させていただきます。

システム導入の陥りがちなパターン

「会計システムの導入を検討しようと思っているのですが、ベンダーの選定を手伝っていただけませんか?」

監査法人時代には様々なご相談に対応しておりましたが、こういったご依頼にも対応させていただいておりました。
というのも、私の最初のキャリアは基幹業務全般をカバーするシステムを導入するコンサルタントだったためです。その後、公認会計士の資格を取り、監査法人に就職しました。

システム導入は基本的にベンダーが実施しますが、その前段階である「どのベンダーにお願いするか」を間違えると取り返しがつかないことになります。

取り返しがつかない状況にはいくつかパターンがあります。

・導入したシステムにどうしても必要な機能がないことに気が付かなかった
・ベンダーが「できます」といったことが本当はできなかった
・ベンダー選定後に許容できない費用と時間がかかることが後から分かった

ありがちな失敗パターンの一例としては以下のような状況です。

「〇〇システムを入れなきゃ!」

「代表的なベンダーは〇〇社と△△社と××社か、営業に来てもらおう」

貴社「こういうことってできますか?」
〇〇社「できます!(カスタマイズすれば)」
△△社「できます!(運用を変えてもらえれば)」
××社「できます!(オプションのシステムを入れれば)」

「どこもできるみたいだから、一番見積が安かった△△社にお願いしよう」


△△社「このように運用を変えていただかないと…」
貴社「できるっていったじゃないですか!」

カスタマイズはしない前提で

上記の失敗パターンには共通の要因があります。
「カスタマイズでシステムは運用に容易に合わせられる」という思い込みです。
たしかに、プログラムを改変すればシステムを変えることはできます。しかし、ベンダーからすると、1社のためだけにプログラムを変更することは大きなリスクを伴います。
でも営業ができるって言ったんだからといったところで、実際に困るのはシステムを導入する側です。損害賠償で訴えるにしても相当な労力がかかるうえに、その間業務が止まってしまいます。

過去、比較的スムーズにシステム導入ができたケースは、共通して「システムを極力変えない」というスタンスを徹底していました。
カスタマイズはできないという前提で、最初の選定段階でベンダーにデモを見せていただき、今までの業務をどう変えればこのシステムを使って目的を達成できるかを考えます。

カスタマイズを行わないことで、業務を変更する負荷は増大しますが、以下のようなメリットがあります。

・システム導入の期間が短縮する
・システムの不具合の発生可能性が低減する
・非効率な業務を見直すきっかけになる

システム導入を行うにあたって、カスタマイズはできない前提で考えた場合、業者選定の前の業務フローの見直し検討が一番時間がかかることになりますが、入口の段階なので意思決定の変更も比較的容易で、いったんベンダーが選定されればそのままシステムをインストールするだけなので、移行するデータが作成できれば導入期間はかなり短くなります。しかもそのシステムは他社への導入によりテストをしてもらっているも同然なので、多くのカスタマイズで運用にシステムを合わせたケースに比べて不具合の発生率は大幅に低下するはずです。

システム導入前の業務フローの検討を支援してほしいなどご相談がありましたら問い合わせフォームからよろしくお願いいたします。