同友会の講演会に参加してきました
今日は同友会の講演会に参加してきました。元内閣官房参与の藤井聡先生の講演で、端的に言うと「消費税が原因で日本経済が停滞した」という話です。以前書いた記事で、消費税増税後に必ずしも税収が増えていなかったことがわかっていたので、私の考えとも一致していて興味深い話でした。
消費税を増税しても税収は増えず、成長は減速しGDPも増えないということを様々なデータを示しつつ解説していただきました。また、消費税を5%にすることで経済が再度成長を初めて日本が元気になる一方で、消費税10%だと増税によって受けたダメージを回復するのに20年かかるという話をシミュレーションをもとに話をされていました。
さらにMMT理論という、国は自国通貨での国債をいくら発行しても大丈夫で、緊縮財政を行う必要はなく、景気を回復させたかったら国債を発行して公共事業をどんどんやるべきという話の理論的な根拠になる話もされていました。
私がこのような「財政を再建したかったら減税すべき」とか「国債をどんどん発行してそれを財源に公共事業を実施して問題ない」等の話を知ったのは実は7、8年ぐらい前でその時衝撃を受けたものの、このような話をしている人は周りにいませんでした。今日は、講演を聞きに来た人ばかりだったからだと思いますが、皆この話を当然の前提として話をしていたので新鮮でした。意外と内心みんな思っているがなかなか堂々と言い出せないという状況なのかもしれないと思いました。皆さん「そうはいっても日本は変わらない。このままじり貧だ」と悲観的な感じでしたが、数年前に比べてこの手の話が随分と広まってきた印象がありますし、ヤフーのニュース記事のコメント欄なんかを見ていても、国の借金というのが実は全く気にする必要が無いという趣旨のコメントを残している人も結構見かけるようになってきて、だいぶ世の中の考え方も変わってきているように感じます。
何かをきっかけに、オセロの盤面が一気にひっくり返るように「実は自分もそうじゃないかと思っていた!」と言い出す人が続出する日が来るかもしれません。
消費税が高い国もあるよね?という疑問
講演を聞いていて、ふと疑問に思ったのが「日本より消費税が高くても経済成長している国があると思うけど、それはなぜ?」ということです。質問の時間に、私と同じことを考えた人が「北欧は消費税かなり高いけどなぜ大丈夫なんですか?」という質問をされていました。
この質問に対して藤井先生は「税率が何%かは関係ない、デフレ環境下での増税がダメなんだ」と答えていました。最初意味が分からず、「気持ちの問題ってこと?」と思いましたが、追加の説明で意味が分かりました。
「インフレ環境下では、人の給料は増えていく。例えば、年間10万円づつ所得が増えていく中で『年間1人5万円増税します!』と増税されたとしても、毎年10万円増えていっているので、増える額が5万円になるだけで減りはしない。そこで人の意識もそこまでネガティブにならない。一方、所得が全く増えていかないデフレ環境下で年間5万円増税されると、今まで使えていた5万円が使えなくなり、負担感がインフレ環境下とは全く違ってくる」
つまり、北欧のようなやたら消費税が高い国はインフレ環境下で徐々に増税することで現在のような高い税率になったため、国民はそこまでダメージを負わず、耐えられるようになったということのようです。病人に体を鍛えろと無理やり運動させるのは逆に病気を悪化させるけど、健康な人に運動させればより健康になるということと近い話なのかなと思いました。
徐々に世論も変わりつつあるのを感じるので藤井先生のような人たちには根気よく啓蒙活動を続けていっていただきたいと思いました。