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学校法人監査について

学校法人監査の改正点についての研修に出席してきました。学校法人の会計監査は、民間の監査と違い、学校が補助金を受け取るために義務付けられた監査です。

民間の会社法にあたる私立学校法(私学法)では会計監査人の設置は必要とされておらず、組織体制の中に会計監査人が想定されていません。しかし、私立学校振興助成法という補助金に関して定めた法律のなかに下記の通り会計監査が義務付けられています。

第十四条 第四条第一項又は第九条に規定する補助金の交付を受ける学校法人は、文部科学大臣の定める基準に従い、会計処理を行い、貸借対照表、収支計算書その他の財務計算に関する書類を作成しなければならない。
2 前項に規定する学校法人は、同項の書類のほか、収支予算書を所轄庁に届け出なければならない。
3 前項の場合においては、第一項の書類については、所轄庁の指定する事項に関する公認会計士又は監査法人の監査報告書を添付しなければならない。ただし、補助金の額が寡少であつて、所轄庁の許可を受けたときは、この限りでない。

私立学校振興助成法

このため、民間では公認会計士の監査報告書を受けて、監査役監査報告書が提出されるのに対し、監事(民間の監査役に相当)監査報告書の後に、公認会計士の監査報告書が提出されるという時系列の違いが生まれます。

監査報告書の記載内容の改訂

その監査報告書が、KAM(Key Audit Matter、監査上の主要な検討事項)の導入により民間の監査報告書が大幅に変わるのに合わせて変更が加えられることになりました。定型的な監査報告書をもっとクライアントに合わせた監査報告書にしようという動きで、KAMを記載することで個々の事情を反映する必要が出てきました。民間は当期早期適用、次期以降強制適用ですが、学校法人は任意適用になります。

また監査役の責任についての明示に合わせて、監事の責任についても明示する必要が出てきました。この責任の明示については監事から反発があったそうですが、責任が増えるわけではなく今までの責任を明示するという趣旨です(まさか今まで何もやってなかったなんてことは…)。

継続企業の前提についても、記載が必要にりました。継続「企業」ではないので、継続「法人」の前提になりますが、重要な不確実性が無い場合の理事者確認書への記載や、重要な疑義がある場合の注記などが必要になってきます。継続企業の前提というとすぐ倒産しそうというイメージがありますが、この記載の趣旨は法人が継続しようがしまいが、学校法人会計基準に沿った監査を行いましたよということです。

会計監査人と監事との連携

会計監査人と監事との間の連携についても留意する必要があるとのことで積極的にコミュニケーションを取ることで、互いに情報を共有しそれぞれの監査に役に立てるよう協議を行わなければならないという話になりました。

この点についても、小さな学校法人では監事の姿すら見たことが無いというケースもあるそうで、そのような場合にも連携については必要になりますが、どこまでやれば連携したということになるのかについては判断にゆだねられるようです。

無償化による仕訳

高校や幼稚園など無償化になったことにより新たに発生した仕訳についても説明がありましたが、かなり分厚い別紙の資料になっていましたのでこの記事では割愛します。


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