会計

経営者が決算書を読めない理由

「会計」という言葉に抵抗感を覚えている経営者、会計のことを知りたいけど分からないと思っている経営者の方に、会計に苦手意識を感じてしまう理由を説明します。

経営に会計は重要とわかっていつつも…

「数字のことは全然わからなくて…」という中小企業の経営者の方は多いです。特に本業に手いっぱいの方で、「会計について勉強する時間なんて取れない!税理士先生お願いします!」となってしまっているのが実情です。

しかし、一方で「自分は今いくらお金を使っても大丈夫なのか?」「この仕事の報酬は(この商品の価格は)この値段で採算が取れているのか?」等々、会計がわからなければ明確にわからないことが多々あり、経営と会計は切っても切れない関係です。

決算書を読むために必要なこと

決算書を読めるようにならなければ!と思って決算書をいくらにらみつけてみたって決算書を読むことはできません。また、限界利益率とか当座比率とか、経営指標について勉強してみたところで決算書を読めるようにはなりません。よくわからない数字が増えるだけです。

まず最初に必要なことは、決算書を見る前に「数字で考える」ことです。これができていないことが、決算書が読めない理由です。

よく言われている「数字で考える」という表現ですが、具体的にどういうことかというと、自分の中で「今これぐらい仕事をしているから売り上げはこれぐらいになっているはずだ」とか、「今年は人を〇人増やしたから人件費はこれぐらい増えているんじゃないか」とか、頭の中でざっくりとしたあるべき金額を思い描くことです。

比較できなければ良し悪しはわからない

決算書に書いてあることは「売上は〇〇円です」「人件費は〇〇円です」といった情報ですが、それだけ見ていてもいいのか悪いのかはわかりません。「売上は〇〇円になるはずなんだけど…」という頭の中に比較対象の数字があって初めて「売上は〇〇円です」という情報は生きてきます。
比較対象の数字が頭にあるから「え?思ったより少ない!なんで?」「大体想定通りだな」「思ったより多いな、何か忘れてるかな」といった感想が出てきて、違和感があれば「原因を究明しよう!」と次のアクションを取ることができるようになります。

もちろん決算書が赤字になっていたら黒字にするために何らかのアクションを取らないといけないと思いますが、そもそも最初から赤字になるようにビジネスを行う経営者はいないでしょうから、黒字という比較対象の数字に対して赤字になっているため、アクション取らなければいけないことが分かるということです。

こうなっていたい!という数字

比較できる数字には、「こうなっているはず」という数字のほかにもう一つあります。「こうなっていたい!」という数字です。この数字を考えるのが経営計画です。これがあるのとないのとで取るアクションが変わります。

こうなっていたい!という数字が例えば次年度の売上を20%アップしたいというものだったとします。そうすると、「何もしなければ次年度も同じ売り上げになりそうだ、売り上げをアップさせる工夫を考えないと」と売上アップのための対策を考える必要に迫られます。
特にこのような数字がない場合、「次年度も同じ売り上げになりそうだな」で終わります。

成長するよりも現状維持で余裕がある生活を送りたいという考え方も一理あると思います。その場合であっても先々何が起こるかをイメージして置くというのは有効かと思います。

経営計画の作成支援や、そもそも決算書の言葉の意味がわからない!、うちの決算書を見てどこが悪いのか教えてほしい!などご相談がありましたらezakitakakazu.office@gmail.comへメールをいただければと思います。