同期残高と登録残高
最近では当たり前になりつつある、銀行口座やクレジットカードがデータ連携で会計ソフトへ取り込まれるという機能ですが、この機能によって昔ながらの伝票入力に比べて3つのメリットがあります。
メリット① 漏れなくダブりなく
手入力の伝票では、同じ情報を二度入力したり、入力が漏れたり、タイムリーに入力できていなかったりする可能性がありますが、自動で連携してくれればこのようなミスは防げます。銀行の明細と取り込まれたデータは必ず一致するため、入力担当者は残高が一致していることさえ確認すればよくなります。
メリット② 入力時間の短縮
通帳や明細から手で伝票を起票していたことを考えると、すでに通帳や明細にある情報は会計ソフトに入力済みになっているというのは大幅な時間短縮になります。
メリット③ 入力ミスなし
データが自動で取り込まれるため、打ち間違いのリスクは無くなります。
入力のミスが無くなることに加えて、入力時間が省略されるという質もスピードも向上するというのは本当の意味での効率化だと思います。
それなのになぜ…同期残高と登録残高がズレる
同期残高というのは、通帳残高のことで、登録残高というのは取り込んだデータを仕訳として登録した結果の残高のことです。本来であれば、同期した残高と全ての取引を登録した後の登録残高というのはぴったり一致するはずです。
ところが、同期残高と登録残高が一致しないケースがあります。一度一致したら同期方法が変更されるなどで重複データを取り込まない限りは一致しないとおかしいです。こういった場合は、重複したデータを確認して排除していけばいいですが、導入当初にうまく取り込めていないことでズレていることがあります。
ケース① 同期開始のタイミングで過去の取引が取り込めない
同期する際にさかのぼれる時期は金融機関等によって異なるようで、3ヵ月以上前にさかのぼれないなどがあります。そうなった場合、例えば半年前の取引から登録しておきたいと思ったら、3ヵ月前より過去の取引は手で入力していくか、元々使っていた会計システムから取り込むなどが必要になります。
この時、同期可能なタイミングの箇所まで入力したり取り込んでしまったりすると、その取引は重複することになり残高がズレる要因になります。
ケース② 取り込んだら矛盾する取引
昨年入金した金額が同期しても反映されず、その金額分ズレている口座がありました。この口座を登録したのは今年の3月で、freee上は、昨年は存在していなかったためここで同期してしまうと、昨年申告した決算書の貸借対照表の預金の金額とズレてしまいます。実態としても、この口座のお金は3月の口座登録時点で個人から事業に投じられたと考えるべきです。そこで、同期からデータを引っ張ってくるのではなく3月に手動で入金の取引を登録する必要があり、このように自動で反映すると矛盾してしまうような取引はシステム的に取り込まれないことがあります。
同期残高と登録残高のズレを確認する方法
同期残高と登録残高がズレていることに気付いた場合、口座の名称のリンクをクリックすることで開く画面の中にあるタイムラインというタブを開くと、どこでどのようにズレているのかというのが分かります。
タイムラインで確認し、最も過去にズレている所から修正を加えていくことで同期残高と登録残高のズレを解消することができます。