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木を見て森も見る-経営計画と変動損益計算書

計画とは旅のしおりである

今日は経営指針についてのオンラインセミナーに参加しました。経営指針や経営計画、経営理念など重要性については度々聞きますが、そもそもどんなものなのかイメージがつかみにくいところがあります。

端的に、経営計画とは地図のようなものだという表現をされていましたが、話の内容を聞いていて地図というよりは「旅のしおり」みたいなものだなと思いました。

旅行に行く際に、事前に旅行の工程をシミュレートして、冊子を作ったことは無いでしょうか。私は「旅のしおり」と称して目的までの出発時間や到着時間、集合場所、宿泊場所、立ち寄る観光スポット、飲食店、持っていく物等を記載した冊子を作ったことがあります。

経営は確かに旅行に似ているところがあります。旅行も目的地はどこに行こうが自由です。予算や時間等、与えられた条件の中で最も満足度が高そうな場所に目的地を設定します。経営も自分が置かれている環境の中で最も自分がやりたいこと、やれることを事業として行います。旅先では様々なアクシデントが発生し、なかなか思い通りに行きませんが、経営も計画通りに事業が実施されることは稀です。

また、旅のしおりが無くても旅行ができるように、経営計画が無くても経営はできます。しかし、旅行が「何が起こるかわからないのが面白いんだ!」と適当に旅してもアクシデントを楽しめますが、経営で何が起こるかわからない状態で場当たり的に対応していたら下手をすると倒産してしまいます。ちなみに旅行でも数十人単位で行く修学旅行やツアー旅行などで無計画に旅行することはあり得ず、ある程度の人数規模になっている会社で経営計画が無いというのは大きな問題です。

経営計画では直近数年が見通せる計画を立てます。計画には理念・人生観・経営観といった考え方が反映されるため、この考え方が私利私欲に走るようなものだと具体的な行動に反映されて永続するような企業になるのは難しくなります。

この経営計画が森にあたる視点だとすれば、決算書を読み解き対策を考える部分は木にあたります。

製品・サービス単位の変動損益計算書

製品が一つ売れるとどれだけ限界利益が発生するのか、サービスを一つ提供するとどれだけ限界利益が発生するのか、そういったことを考え、限界利益をどう増やすのかといったことに試行錯誤を繰り返すことで利益率を向上させる方法を検討する必要があります。

この自らの製品やサービスの利益構造を理解し、何がどう変われば構造が変わっていくのかといったことを経営者が、組織が大きくなれば各事業の管理者が理解し、日々PDCAを繰り返し続けるのが管理であり経営という事になります。

神は細部に宿り、経営理念や経営計画は製品やサービスの内容、利益構造に反映されていきます。木々にあたるこの部分も重要で、経営は木も森もどちらも見る必要があります。

ゲームのルールを深く理解する

多くの人が参加するタイプのシミュレーション系のゲームをやっていていつも感じるのは、トップクラスの人たちは例外なく、そのゲームのルールをしっかりと理解しています。ゲームを飽きさせないためか、開発がスタートに間に合わないからかルールはどんどん変わっていくのですが、すぐに理解し対応します。

現実の世界でも、ルールをどれだけ深く理解できているかが最適な行動を取れるかどうか、正しい経営意思決定を行えるかどうかを左右します。