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交通費も入れていい医療費控除-海外の病院に行っても?

年間10万円以上医療費がかかった際に10万円を超えた金額を所得から控除できる医療費控除ですが、大きな手術でもしない限りなかなか10万円を超えることはありません。しかし、海外の病院に行ってしまえばあっという間に数十万円。ついでに旅行もできるし…と考えたことはないでしょうか。

交通費も医療費控除の対象になる

まず、医療費というと病院で払った診療代や薬局で買った薬代のイメージですが、交通費も医療費として認めてもらえるケースがあります。

9 次のような費用で、医師等による診療、治療、施術又は分べんの介助を受けるために直接必要なもの
(1) 医師等による診療等を受けるための通院費、医師等の送迎費、入院の際の部屋代や食事代の費用、コルセットなどの医療用器具等の購入代やその賃借料で通常必要なもの(ただし、自家用車で通院する場合のガソリン代や駐車場の料金等は含まれません。)

国税庁 タックスアンサーNo.1122

自家用車で行ったのを経費計上するのはダメです。これはごまかしやすく、検証が難しいからだと思われます。タクシー代は?というと、公共交通機関で通えるところにタクシーで行っても医療費として認められません。必要最小限のものだけが認められます。

海外の病院に通院(?)する場合

引用したタックスアンサーからわかる医療費控除は、考えられるもっとも支払いが少なくなるケースのみが認められるということになります。交通費についても、海外の病院にどうしても行かなければいけない理由があれば認められます。

例えば、そこでしか受けられない手術であるとか、医師の紹介状がある等で、その病院以外で同じ治療が受けられないケースです。一方で、同じ手術が受けられるのに、「あそこの病院は名医がいるから」と自主的に遠方の病院に行った場合の交通費は認められません。

宿泊費はどんな理由であれ認められない

海外や遠方に行ったら、日帰りというわけにはいかず、一旦ホテルで宿泊することも普通に起こると思いますが、これはどんなやむを得ない事情があったとしても認められません。医療費控除が本来認めているのは家から病院まで移動する際に係る公共交通機関の交通費のイメージで、そこまで多額の旅費を想定しているわけではありません。

グレーゾーンであれば所管の税務署へ問い合わせ

ここまで読んで、判断が難しいと思ったのであれば所管の税務署へ問い合わせてみることをお勧めします。人によって見解が異なると思いますが、自身の申告を受け取る税務署の回答が一番信用できますし、いざ税務調査が入った時に税務署に聞いたというのは大きな説明材料になります。

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