CEOやCOOはよく聞くと思いますが、CFO(最高財務責任者)という経営の財務面を管理する役員がいます。どういった役割の役員なのか、人材不足の創業時や小規模な中小企業に公認会計士が外部取締役としてCFOを担当することについてのメリットについて触れます。
CEO、COO、CFOの三権分立
CFOというのはチーフ・ファイナンシャル・オフィサーの略で、財務戦略を担当する役員(最高責任者)を示す言葉です。中小企業に限らず、経営にはCEO(チーフ・エグゼクティブ・オフィサー)、COO(チーフ・オペレーティング・オフィサー)が必要です。
君主‐CEO
CEOは企業の理念を体現する存在です。企業がどういう方向に進むべきなのか、どういう風に社会に貢献するためにその企業が存在しているのか、そういったことを決めて企業の進むべき方向を指し示すのがCEOの主な役割です。
最終的な意思決定はCEOが行うため、企業を一国に例えると、王様のような存在です。どんな企業なのか、これからどういう企業になっていくのかはCEOでなければ決めることができません。
将軍‐COO
一方で、COOは実務に関する最高責任者です。CEOが描く理想の企業をどのように現実に落とし込むかがCOOの役割です。業務を理解し、企業をどのように運営していくのか、具体的な話はこのCOOが担っています。CEOの理想をただの夢物語に終わらせず、実現するための重要な役割を担っています。
宰相‐CFO
COOが企業の攻めの部分を担当しているのに対し、CFOは企業の守りの部分を担当しています。企業に内在するリソースを把握し、COOが業務をうまく回すためのリソース配分を担当します。リソースはヒト・モノ・カネですが、特にカネが無ければヒトもモノも調達できないため、特にカネの管理について重要な役割を担っています。
社内の人材でなければ務まらないCOO、専門知識が必要なCFO
会社を作り上げたのは、CEOにあたる人物です。CEO以外には会社を興すことはできません。COOやCFOはあくまでCEOが作った会社を下から支える形になります。COOは会社の業務を熟知していなければ務まらないため、社内の人材から抜擢することになると思いますが、CFOについては財務会計の専門知識が必要になってきます。
お金を扱う仕事のため、これもまた社内の信用できる人材に担当してもらいたいところですが、CFOは会計という専門知識の習得が必要で、中小企業やベンチャー企業が社内にそういった人材を抱えるのはなかなか難しいというが実情です。
そこで、顧問税理士のような外部人材に頼ることになりますが、税理士によってはそういった意識はなく、申告さえ滞りなく行えれば問題ないと思っている先生も多いのではないかと思います。これは、その先生が悪いというよりは、そもそもその程度の稼働時間しか確保できない程度の報酬であるためというのも大きな要因だと思います。採算ラインが大体1時間1万円と考えた場合に、例えば月額顧問料が3万円であれば、月3時間程度しか確保できません。ちょっと会社の仕訳をチェックして面談すると3時間程度はすぐ経ってしまいます。
会社全体の財務状況を見てリソース配分をモニタリングし、新規の資金調達や事業計画に対する意見などを求めるには毎月2~3日程度のパートタイムのCFOとしての役割を検討することで専属のCFOを雇うよりも効果的な投資になるのではないかと思います。