経営に役立つ情報を知りたい経営者の方向けの記事

情報は意思決定に影響を与えなければ意味がない

情報システムが取り扱う情報とは

情報技術、情報システムという言葉は昔からありますが、ここでいう情報とはどういったものでしょうか。一般的に情報システムが扱う情報は、「データ」という認識で話がされることが多いです。データとは、客観的な情報そのもので「顧客コード」とか、「販売単価」とか、それを見たからと言って何かわかるものではありません。

しかし、情報システムから提供されるべき情報は、本来は「データ」ではなく「インフォメーション」でなければなりません。インフォメーションはデータとは異なり、何らかのメッセージがある情報です。その情報を受け取った人がアクションを変えるなど意思決定に影響を与える情報になります。

例えば、「店舗Aは3期連続赤字になっている」とか、「ライバル企業の新商品の発売後、自社の競合商品の売上が20%減少した」といったような情報です。店舗Aは撤退の判断をする、競合商品の生産を抑えて新商品の開発投資を増やすなど、これらの情報は意思決定の変更を迫るような内容を含んでいます。

情報システムというのは、このインフォメーションを得るために作られていなければなりません。つまり、情報システムはデータを収集してインフォメーションに加工するためのツールという事ができます。

データが不正確ではインフォメーションも信用できない

情報システムが大規模化し複雑になってくるにつれて、詳細なデータを集めてインフォメーションに加工できるようになってきました。ところが、詳細なデータを集めようとすると入力の手間もかかるようになってしまいます。

データ入力という今までになかった追加作業を高いモチベーションを持って実行するには、実際に役に立つインフォメーションを得られなければなりませんが、大規模化した弊害でデータを入力する人とインフォメーションを利用する人が別になってしまい、データ入力者は何のために入力しているのかわからず低いモチベーションで入力も雑になってしまいがちです。

その結果、アウトプットとして得られるインフォメーションの信ぴょう性も低くなってしまい、利用価値が下がった結果システムが形骸化して利用する人がいなくなるという悪循環が生まれてしまいます。また、データをとりあえず入れておけば何かに使えるだろうと詳細に入れても、効果的なインフォメーションへの加工のアイデアが無くデータだけが蓄積されていくだけというのも費用対効果がありません。

会計システムにおいては、何を変えればどのように数字が変化するのかを明らかにして将来の財務書類を予測するというような使い方ができれば、「何を」の部分を増やしたり減らしたりするために努力をするという事に使うことができて初めて会計情報の活用という事になると思います。