• お問い合わせは092-558-2399まで

かつてFXで大失敗した時の話

結果的になんとかなったので人に話せますが、かつてFX取引で多額の含み損を抱えて塩漬けしていたことがあります。時はリーマンショックの直前、2007年頃、円相場125円ぐらいで「これからどんどん円安になる!」「スワップポイントで持っているだけで利益になる!」という言葉に踊らされ、今でこそ規制がかけられていますがレバレッジかけ放題の時期で無茶なポジションを取り、そのまま未曽有の円高に突入しました。

親や奥さんにお金を借りたりして、強制ロスカットを免れようとしましたが、円高はどこまでも続きます。普通だったら余裕で退場の状況でしたが、途中で利益がプラマイゼロになるように逆方向に円を買うことで損失を固定し、そのまま塩漬けしました。たまたま両建てを認めてくれるFX口座だったのでよかったのですが、認めてくれない口座だったらまちがいなく借りたお金もろとも全額無くなっていました。

最終的にはアベノミクスで上昇局面に入る直前に、逆方向の買っていた円を解消して、利益は出ませんでしたがトントンぐらいで全ての取引を解消することができました。ちょうど解消した直後ぐらいからまた円高になっていったので、結果的に一番いいタイミングで逃れることができました。その間約8年…。常に心に重くのしかかっていた記憶があります。そんなわけで仮想通貨のブームの際には全く手を出す気になれませんでした。

監査法人勤務前は株取引で少額ながら利益が出ていたので、株取引の方が簡単な印象です。そういえば日経平均が1万円切った時も投資信託を買って、その後1年ぐらいは下がり続けて失敗したと思いましたが、結果的に4年後ぐらいに16,000円ぐらいまで上がったタイミングで売れたので、こちらはちゃんと利益が出ました。

円は高くなる圧力がかかっている

ここからの話は私の完全な私見なので、与太話として聞いていただきたいですが、振り返って考えると円というのは少なくともGDPがほとんど変わっていないこの30年の間に関しては円高の圧力がかかり続けていたのだと思います。

例としてドルと円の関係についてですが、日本の名目GDPは1990年→2019年で453兆円→557兆円です。増加率23%。対してアメリカの名目GDPはなんと6兆ドル→21兆ドル、増加率262%です。日本が2割増し程度しか増加していない間に、3.6倍にもなっています。GDPとは国内で新たに生産されたモノやサービスの付加価値のことです。では、アメリカは日本の約3倍も価値のある何かを生み出せるようになったのでしょうか。私はそうは思いません。この30年、日本の方が負けていたとしても、そこまでの大きな違いはなかったと思います。

真の付加価値にそこまで違いが無かったのだとすると、円とドルの数字上の関係が大きく変わってしまったのではないでしょうか。仮に、お互い全く同じだけの付加価値を生み出していたとすると、名目GDP1ドルあたりの円が30年前は76円ぐらい、2019年は26円ぐらいです。アメリカの1ドル分の付加価値を生み出すのに30年前だと76円だったのが、今は26円で生み出せるようになっているということになります(全く同じだけの付加価値を生み出せると仮定してです)。

これは、1ドルに対して1円の価値が上がってしまっているということにならないでしょうか。つまり円高ドル安方向への圧力です。

日本経済が弱くなると円安になる?

私がうっかりFX取引に手を出してしまった頃、「日本の経済が弱くなると円安になる」「日本は少子高齢化、長引くデフレで経済はどんどん弱くなるだろう」「今後日本は円安になる」という話がまことしやかに語られていました。しかし実際は未曽有の円高。民主党政権時代は日本の国家運営は相当叩かれていましたが、その時が一番円高でした。国がますますお金を使わないようにしようと、2位じゃダメなんですかの仕分けや消費増税を決めた時期です。日本経済的にも一番弱まった時期じゃないでしょうか。

円高円安を決定する要因は日本経済の強弱ではなく、国内にどれだけお金が流通しているかではないでしょうか。日本の経済が弱くなれば、普通は経済を活性化しようと国がどんどんお金を使って、国内に仕事を生み出し国内に出回るお金が増えて結果的に物価も上がり1円当たりの価値が小さくなっていくと思います。

ところが、現在は日本の経済が弱くなっているという自覚があるにもかかわらず緊縮財政のスタンスは変わらず「財源は?」「プライマリーバランスは黒字に!」と国がお金をできるだけ使わないようにしています。本来であれば、このお金を使わないようにする局面は好況の局面です。加熱する経済を冷やさないといけないときの話です。

こういったことからも、円高か円安かは経済が弱い強いではなく、お金をどんどん使うスタンスか使わないスタンスかというところに関係しているのだと思います。現状では、お金を使わないスタンスが30年続いており、それはやはり円高への圧力となっていたのだと思います。そして今後もこのスタンスが変わらない限り、円高方向へ圧力がかかり続けるのだと思います。

何か大事件が起こって円高になると「キャリートレードの巻き戻し」で円高になったという説明がされます。これも、結局円は本来もっと円高であるところを、利益目的で円売りドル買いしている人たちがたくさんいて、何かあるとポジションを解消してニュートラルになるため、本来の円の価値に向かって円高方向に進むのだと思います。今回のコロナの件でも、日本はコロナの感染リスクが他国に比べて高いと騒がれ、経済的にはマイナス要因だったにもかかわらず急速に円高になりました。今やアメリカやヨーロッパの感染者が増え始めているのに反発して円安です。

そういったことに思いが至るようになったのは、8年間苦しんだおかげなので悪い事ばかりではなかったのかなと思います。できれば味わいたくなかったですが。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です