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RPAはスタッフになるには音声認識が必要

RPAの未来を想像する

RPAは今のところ、「パソコン全体で汎用的に使えるマクロ」といったところです。ExcelのマクロはExcelを中心としてあまり広範囲に利用することはできませんが、RPAはブラウザはほかのソフトとExcelを平等に扱えるマクロのような機能です。

マクロである以上、ある程度プログラミングの知識が無いと直感的に扱うのは難しいと思います。プログラミングの知識が無いにしても、アルゴリズムに関しての理解力が高くないとやらせたいことをやらせることはできないと思います。

この壁を突破するために必要な技術が音声認識技術です。現在、アレクサ、グーグルホーム、Siriなど、かなり音声認識技術の精度が上がってきています。たまに意味不明なことを言ったり、簡単な質問に答えられなかったりしますが、普通に話しかける感じでしゃべってもちゃんと指示通りに回答してくれます。

この音声認識技術で、RPAに人にものを教えるように語り掛けるとRPAがそれを理解して必要なアルゴリズムを組んで繰り返し作業を実施してくれるようになったら、ロボット事務スタッフは一気に一般化すると思います。言葉で指示したことを理解してもらうというのはITの知識が無くてもできるため利用可能な人材が一気に広がります。

現状では属人化するマクロと同じ現象が起こる

RPAがなかなか広まらない、一般化しない理由として利用料の問題もありますが、本当にスタッフ一人雇うのと同じぐらいの感覚で使えるなら利用料はむしろ安いと思います。実際には指示を理解してもらうのに膨大な時間がかかり、実際に指示通りに動かすのにRPAの知識を持った人が必要であり、ちょっとした変更もその人の力を借りないとできないため、思いのほか手間がかかるというのが壁になります。

しかも、その人がつきっきりでRPAを作ったり変更したりできる状況にあるのは珍しく、別の業務と兼務になるため迅速に必要に応じて対応することが難しかったりします。さらに、その人が退職したりしてしまうとせっかく作ったロボットをメンテナンスできなくなり、そのうちだれも使わなくなってしまいます。

これは、AccessやExcelを使って便利ツールを作った時に陥りがちなことで、業務にマッチさせて作りこめば作りこむほど作った人以外が中身を分からなくなりいなくなったら使われなくなってしまいます。

RPAが何をやっているかわかりやすく見える化する必要性

AccessやExcelはVBAと言われるプログラミング言語を用いたり関数を用いてぱっと見何をやっているかわからないため、ある程度知識がある人が見ないとブラックボックスになってしまいます。RPAでも恐らく同じようにぱっと見何をしているのかわからないと思いますが、指示自体が視覚化されて業務フローのようにわかりやすく流れが確認できれば、メンテナンスできる人の対象範囲がひろがります。またこれは、より効率の良いフローを考える上でも有用です。

RPAはまだまだ黎明期で、これからOCRによる紙情報のデータ化のための画像認識機能もますます向上するでしょうし、過渡期にあると思います。一過性の流行で終わらず進化し続けていってほしいと思います。