博多みなと倫理法人会に所属しています
倫理法人会という組織があります。高校の後輩が入会していたことがきっかけで、独立直後だったこともあり、人とのつながりを増やしたくて入会しました。その高校の後輩とは、10年以上年賀状のやり取りぐらいだったのですが、独立直後のタイミングで私が独立したことを知らずに連絡が来ました。そういうきっかけだったので、何かの縁かと思い入会して半年以上が経ちました。
名前からして新興宗教っぽい雰囲気のある倫理法人会ですが、私の中では例えると「心のジム」のような場所です。ジムで体を動かすことに意義を感じる人もいれば、「別にその辺走ったり筋トレしたりすればタダだし」と思っている人もいれば、そもそも体を動かすこと自体が嫌な人もいます。それで目に見えて健康の度合いが違うのかというと、下手すると運動しすぎて早死にしてしまう人もいます。なので無理におすすめするような所ではありません。
運動でいえば、ジムに通ってちゃんと月謝を払っているから運動しなきゃと思うし、周りに運動している人たちがいると、やる気が出るというタイプの人で、「心を鍛える」という事に興味がある人は一度入会されてみてもいいかもしれません。
宗教というか道徳
倫理法人会を検索すると、ひとのみち教団という昔の新興宗教が元になっているとか、怪しげな組織と関係があるとかそんな話があります。本当にそうなのかもしれませんが、とりあえず参加していて感じるのは、強制的に収容されて何日も閉じ込められるとか、洗脳されるとかそういったこととは無縁の印象です。
入会すると「万人幸福の栞」という結構豪華な装丁の冊子を渡され、朝のセミナーの前にみんなで朗読する時間があります。十七か条がその内容ですが、例えば第1条は「今日は最良の一日、今は無二の好機」というタイトルで、要は今日は仏滅だからとか、占いで仕事運が最悪だったからとかで明日にしようと言わないで、思い立ったら全力で事にあたれ、人生は短いんだみたいな趣旨です。私が好きなのは第3条の「運命は自ら招き、境遇は自ら造る」というやつです。
新興宗教というと「信じる者は救われる」と、とにかく神様や教祖を信じていれば勝手に状況がよくなるから、神様や教祖を信じて、自分を犠牲にして全てを宗教に捧げなさいといったところが怖いところだと思います。徐々に周りから隔離されていき、信者の中でしか生きていけなくなるみたいな。
そういう観点からは、むしろ真逆で、信じる者は救われません。自分の人生は自分が何とかするんだ、自分で何とか出来るんだ、他人や環境のせいにしてはダメだという事を説いています。一言でいえば、道徳の時間です。朗読したり、大きな声であいさつしたりと小学校の時の道徳の授業を大人になってもう一回改めてやっているような感じです。
こういうのも好き嫌いが分かれると思います。「もういい大人なんだからそんなことやらなくても…」と思う人も当然いると思います。ただあえて小学生みたいなことをやることによって初心を思い出す、襟を正す、という事に意義を感じる人は経営者の中には結構いるようです。
月の会費は1万円
月1万円の会費と別にとられるのは、セミナー後の朝食会の朝食代、著名な講師を呼んで特別なセミナーを行う時の参加費、懇親会の時の飲み代等で常識の範囲です。何百万円の寄付をしないといけないとかそんなことは全くありません。あったら辞めます。
月1万円を高いと感じるか安いと感じるかは人それぞれで、ほぼ毎日どこかで開かれている早朝6時~7時のセミナーに参加できるので、元を取りたかったら毎日朝どこかのセミナーに参加すれば、40分のセミナーを400円ぐらいで受講できることになります。セミナーの質は本当に素人の人がしゃべっていたり、お金を取ってセミナー講師をしているようなプロの人がしゃべっていたりと千差万別です。これも見方によってはいろんな人のセミナーが聞けて上手い人と下手な人の違いが分かったりして、人前でしゃべることがある人にとっては勉強になります。
個人的には一個人の趣味として月1万円は高いかもしれませんが、事業を営む経営者の投資と考えると、この金額を負担に感じるレベルではまだまだだと思っています。月1万円なんて誤差の範囲ぐらいの気持ちになれるように頑張りたいです。
正しい心と経済的成功の因果関係
別の記事にも書いていますが、「論語と算盤」「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」等、古来から正しい倫理観が経済的成功につながっていることを説いている本があります。これらの文献を読む限り、小金持ちレベルを目指すのであればそこまで倫理観というのは必要ないのかもしれません。2つの著書にでてくる渋沢栄一氏もアメリカ資本主義の礎となったピューリタンも常軌を逸した富を築いています。
しかし間違いなく言えるのは商売は信用が最も重要です。相手を裏切らない、インチキしないという精神は短期的には損をする局面があるかもしれませんが、長期的には成功する確率をかなり高めてくれるものだと思います。