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同友会の福岡地区新春講演会でジャパネットたかた創業者高田明氏のお話をうかがいました。72歳とは思えないエネルギッシュな方で聞いていて元気が出てくる面白いお話でしたので、印象に残った内容を報告させていただきます。

今を生きる

よく、「死ぬ気で頑張れ」とか「今を全力で生きろ」みたいな話をよく言われますが、高田氏も「今を生きる」というのを大切にしているということをおっしゃっていました。

ただ、この話には大きな勘違いがあるのではないかと思っています。「一生懸命がんばれ」とか「常に全力で」とか言われるのは、そういうことができている人が少ないからですが、高田氏にできて一般的な人にできないのには理由があります。

「必死に頑張らなければいけない」では頑張れない

必死に頑張っている人、全力で今を生きている人は「そうしなければ!」と思って頑張っているわけではなく、気が付いたらそういう状況になっているというのが真実ではないでしょうか。

自分でも意識せずに必死で全力で頑張っているのです。そしてそうすることでうまくいくわけですが、そんな自分を振り返って「全力で頑張ることは大事だ!だからみんなもそうするべきだ!」という話になります。

しかし、本当に注目すべきは「なぜ全力で頑張れたのか」の部分です。高田氏の話の中に、ラジオによる通販を全国展開するにあたって数年かけて全国のローカル局を行脚したという話をされていました。その時の言葉が印象的でした。

「一気に売り上げが伸びたが、お金が儲かるとかそんなことはほとんど気にならなかった。ただ楽しかった」

人は「頑張らなければいけない」から頑張るのではなく、楽しくなければ全力で頑張りつづけることはできません。なので、「全力で頑張れ」というのは正しくは「全力で頑張りたくなるような楽しい何かを見つけろ」ということになります。

「全力で頑張りたくなるような楽しい何か」は誰かを幸せにする

ただ楽しいものというだけだと独りよがりな趣味の世界で終わってしまいます。それでも楽しいので全力で頑張れるとは思います。しかし趣味に全力を傾けると生活ができなくなります。

持続可能な楽しいことは誰かを幸せにしています。幸せになった誰かから対価を得られるので生活も豊かになり、ますますその楽しいことに没頭できる環境が整います。

高田氏もおっしゃっていましたが、結局は「誰かを幸せにしてその対価を得る」というのが綺麗ごとでも何でもなくビジネスの逃れられない原則であり、その原則を外れると一時的に収入を得ることはできるかもしれませんが、長くは続かないものになります。

これは裏を返せば、もし今ビジネスで安定的に収入を得ることができているのであれば、それは何らか世の中の役に立っていたり、誰かを幸せにしているということになります。自分が提供するモノの本質が何なのかを考えるというのは重要です。

高田氏の話の中に「売り上げが急激に落ち込んだ時期に原点に立ち返った。テレビショッピングでテレビを売って売り上げを伸ばしていたが、ラジオやインターネットなど様々な媒体、テレビ以外の商材についても再検討し、そこでブームを生み出したのがレイコップだった」という話がありました。

できない理由を考えるな、できる理由だけに集中しろ

高田氏が講演の中で再三強調していた話として、「できる理由が5%でもあれば、そこに意識を集中しなさい。できない理由は無視しなさい」というものがありました。

何かにチャレンジする場合に、できない理由もできる理由も本当は同じぐらい存在しているのだと思います。結果を見てできなかったらできない理由が、出来たらできる理由が強調されているというだけです。

だとすると、チャレンジがうまくいかない理由を先に考えてやらないのではなく、うまくいく理由についてだけ突き詰めて考えることで突破口が開けるというのはなるほどと思いました。

ゴールポストをずらせ

簡単にあきらめないという話の例えとして、ゴルフの話をされていました。「ホールを回る前は120を切ることを目標にして臨んだとする、ところが半分回って65だった。でもあきらめてはいけない。残り半分を55で回れば目標は達成できる。しかし、15ホール目で120になってしまった」

「そこで『目標を達成できなかった』と投げ出してはいけない。残りのホールをパー以内で回るという目標を再設定する。それも達成できなかった。そしたら最後の10mのパットを1回で沈めるという目標に再設定する。それが達成できたら(達成できなかったとしても)最後までゴルフを楽しめる」

この話は、楽しいから全力で頑張れるという話に通じます。目標を達成できないことで楽しくなくなるのを防ぐ方法です。他人との約束でゴールポストをずらしたら怒られますが、自分の目標はいくらでも変えてよく、最後まで頑張る気持ちを持ち続けようというメッセージだと思います。

今はジャパネットたかたには全く関与していないとのことで、その引き際にも非凡なものを感じますが、「売り上げを復活させたときに、若い世代が自分には思いつかないアイデアがどんどん出してきて『売り上げが復活しなかったら辞める』と言っていたが、若い世代に任せられると思って辞めた」と言っていました。

伝えたと伝わったは全く違う

自分から見て伝えたということと、本当に相手に伝わっているかということは全く違うということについても強調されていました。それは本当に伝わっているのか、自分がただ伝えたつもりになっているだけなんじゃないかというのはよくよく考えろという話でした。

話をうまく伝えるためには、平易な表現を用いること、非言語の部分の重要性を認識すること、そして最大のポイントは「間」とのことでした。自分で伝えたつもりになっていても、伝わっていなければリアクションが全くなく、売れないというのも結局はうまく伝えきれていない部分が大きいとのことでした。

さすが名経営者の講演ということでいろいろと学ぶところが大きいお話でした。こんな話が無料で家から聴けるというのはすごいと思います。


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