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税理士と顧問契約を結ぶ最もわかりやすいメリットは「顧問になってもらった方が儲かる(手元に残るキャッシュが増える)」というものだと思います。しかし、このことについて厳密に考えようとするとなかなか難しいものがあります。

税理士を顧問に迎えると会社のお金は増えるのか?

この疑問は2つの点からはっきりとイエスとは言い切れないのが現状です。まず、「そもそも税理士の仕事は顧問先のお金を増やすことではない」という考え方があります。つまり、税理士は適正な税務申告を行うために顧問契約を締結しているのであって、お金を増やすのは目的ではないという事です。

もう一つは、「税理士は会社のお金を増やすことも重要な付加価値であるが、それは経営に関するアドバイスをすることで売上増に貢献することで達成している」という考え方です。これは経営者の自助努力で売上が伸びているのか税理士がいるから売上が伸びているのかわからないため、はっきりイエスとは言い切れません。

私は顧問先のお金を増やしたいと思っています。私を顧問にして報酬を払うよりも多くのお金を会社が得ることが出来ればそれに越したことは無いのですが、どういうことに貢献できるのかについて考えてみたいと思います。

節税策を提案することによる効果

まず、税理士と言えば節税策の提案です。この点、顧客が知らなかった節税策を提案して、受け入れられた場合節税額分のお金が増えることになります。この金額が顧問報酬を上回れば会社はわかりやすく得をしたと言えます。

例えば、月30万円の節税を可能にする提案を行えれば、月3万円の顧問料は格安です。この点については、どれぐらいの効果があるのかについて顧客の税務に関する知識によって大きく変わってきます。

どういうことかというと、税理士が提案した節税策について一生涯気が付くことがない顧客であれば、その税理士の提案は一生涯の効果があったことになり、ずっと顧問料を払っても結果的に得をしていることになります。逆に、節税に興味があり、よく調べている顧客で、税理士の提案について1年後には自分で気づけていたという場合には、その効果は1年しかなくその後の顧問料は別の何かで得をしなければマイナスになることになります。

補助金・助成金獲得による効果

補助金、助成金の獲得を支援することでコストを低減でき、浮いた分お金が増えることになります。この点については、顧客が自力で補助金、助成金を獲得できるのかどうかによって変わってきます。

顧客が自力で獲得できない場合は、税理士が支援しなければゼロなので、獲得できた金額分の効果があります。自力で獲得できる場合は、税理士が介在することで獲得できる確率が上がるのであればその確率の上昇分×金額が効果になります。介在してもしなくても確率は変わらないのであれば効果はありません。

ただし、確率が変わらないケースであっても、税理士が介在したことで時間が浮いたとしたら、その時間を顧客が収入アップのために使えるのであれば、依頼する価値があります。

売上増による効果

節税や補助金・助成金獲得といったものは比較的わかりやすい話ですが、決算をきちんと行うことによる売上増加効果となってくると、どこまで税理士のおかげなのかははっきりとした線引きができません。しかし、節税や補助金・助成金には限界があるのに対し、売上増は上限がありません。節税は利益をゼロにするところまでが限界で、補助金・助成金はもらえる金額が決まっています。しかし売上はどこまでも増加させることが可能です。

このため、税理士はこの部分で貢献できば大きな付加価値を生み出すことが出来ます。しかし、売上増に貢献できる税理士というのは実はあまり多くないのではないかと思います。税理士の正確な会計数字を作る作業は、信頼のおける決算報告を作ります。決算書の情報をもとに経営を行うのであればベースとなる情報の正確性は非常に重要です。

しかし、現実に決算書を拠り所に経営を行う経営者はあまり多くなく、多くはあくまで税務申告を行うために決算書を作成しています。税理士はその事実を認識しているため、決算書は税務申告目的で作成されます。その方が効率よく申告業務を行えるからです。工数を必要最小限に抑えるのは激しい価格競争になっている税理士の生存戦略です。税務基準に基づいた決算書は収益計上に甘く費用計上に厳しいため、赤字になりくく、借入を行う際にも都合がいいと、状況が改善されないまま正しい会計処理から離れていきます。合理的な行動を取ればとるほど売上増への貢献からは遠ざかっていくという悪循環です。

また、売上増に本当に貢献するためには、顧問先の業務に関する深い理解が必要で、時間がかかります。これは労働集約的な仕事の税理士がいかに少ない時間で高い付加価値を生むかという話と真っ向から対立してしまいます。

資金調達による効果

一時的にでもキャッシュを増やすことが出来る借入は比較的効果が実感しやすい分野です。しかし、借入が本当にキャッシュを増やすためには手に入れたお金で投資を行い、売上(利益)を増やす必要があります。したがって、ここでも売上増の話が出てきます。

直接的な売り上げ増への貢献と少し違うのは、資金調達への貢献ができれば、そこから先の投資については経営者の責任で行ってもらうという責任回避が可能になる点です。とはいえ、厳密に貢献を考えるとやはり売上(利益)増につながっていかないと本当に貢献したことにはならないのではないかと思います。

根本的な対立

本当に付加価値の高い税理士になりたかったらやはり売上増に貢献できなければいけない、売上増に貢献するためには顧客の業務の仕組みを深く理解するとともに、税理士ならではの貢献を行うために時間を掛けなければいけない。一方で、そんな時間が無いという問題があります。

以下のような対立が起こっているということです。

A「税理士が高い収益を生むには短い時間で効率よく業務を行わなければいけない」

B「税理士が高い収益を生むには時間をかけて顧問先を理解しないといけない」

この命題を解決するために税理士には大きく二通りの戦略があります。一つは簡単な決算申告業務を短い時間で安価に大量に行う薄利多売型、少数の顧客から高い報酬で手厚いサービス提供を行うCFO型です。薄利多売型はBを否定したモデル、CFO型はAを否定したモデルです。現実に、上手くいっている税理士はこのどちらかに寄っています。そして規模が大きくなってくるとフルラインでできるようになるイメージです。

当事務所はCFO型を目指しており、顧客のお金を最大化することを目標に掲げています。


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