会社成長している時に気を付けなければならない事
何をもって会社が成長していると判断するのかは意外と難しい問題です。単純に売上高が増加していれば成長しているように見えますが、それは単に会社が膨張しているだけで、成長とは言えない可能性があります。
売上というのは一番わかりやすい指標で、売上が伸びていると明らかに会社は大きくなっています。たくさんのモノやサービスが売れ、人が増え、会社自体が大きくなっているからこそ売上が増加できるともいえます。
一方で、売上がいくら増大していても、利益が増加していなければ会社が拡大しているとは言えません。いわゆる増収減益の状態は会社が膨張している状態です。
増収減益でなくても、売上が増加している中、利益率が減少しているような状況も膨張していると言えます。会社が膨張している状況は一見すると何の問題もなく会社が成長しているように見え、危機感を感じない分かえって危険な状況と言えます。
利益を売上から経費を引いた結果とみると見えてこないもの
トヨタ生産方式を発明したトヨタは「原価を作り込む」という表現を使っていますが、利益をどのように見ているかで会社経営の良し悪しが分かります。会社が膨張している企業は、利益を「売上から経費を引いた結果残ったもの」と捉えがちです。つまり、利益というのは会社の意志と関係なく結果的に出てくる数字であるという考え方です。このように考えてしまうと、無意識に売上さえ伸ばせばよいという考え方になってしまい、経営課題の発見が遅れます。
一方で、会社を適切に拡大できる会社は、「利益と費用を加えた結果が売上高」と捉えます。つまり、まずこれだけの利益を確保しなければならないという目標があり、そこに費用を加えた結果の数字が売上目標だという考え方になります。こういう発想で利益を考えると、まずは利益が最優先になるため、その目標とする利益を達成するのに費用を使いすぎていないか、売上が足りないのではないかと言ったことをきちんと検討する方向に意識が向かうことになります。
そして、いくら利益を確保しなければいけないのかというのは今後の会社の行く末から考えることにつながり、「とにかく売上を増やそう、増やせば何とかなる」という発想よりもはるかに緻密に将来について感がることができるようになります。