後方で兵站を司るCFOの大きな役割
理念やビジョンと言った絵を描くCEOと、描かれた絵に沿って戦略を実行していくCOOが会社を動かすメインの役割を担っていますが、CFOはそれらの会社を動かすための後方支援を行い、会社が一体として最大限の力を発揮できるようにすることが重要な役割になります。
特に求められるのは、ファイナンシャル・オフィサーというぐらいなので、ファイナンスの部分を円滑にすることが求められます。ファイナンスにおける大きな役割は2つあり、一つは資金調達、そしてもう一つは損益・キャッシュフローの改善です。
会社を動かすエネルギー源となる資金
会社の資金を血液によく例えられますが、血液は基本的に体内で生成され体内で循環しているもので外から入ってきたり外へ出ていったりはしません。したがって、血液という例えはちょっと変で、どちらかというと食べ物に近いと思います。
会社は資金をどこかから獲得し、その資金を使って会社を強くしたり大きくしたりして、それによって更なる資金を獲得することができます。資金源のうち、売上によって得られるものはCEOやCOOが獲得しますが、運転資金などの借入、外部からの出資といった資金はCFOが調達することになります。
この会社の兵糧ともいえる資金を調達し、会社の機能を最大限に発揮できるように円滑に前線に送り込む業務はまさに兵站であり、CFOはともすれば会社の生命線を握ることになります。
中でも出資については、バランスを間違えると経営の主導権を外部に奪われることになりかねず、一旦調達してしまうと取り返しがつかないため細心の注意が必要です。
また、借入と出資のバランスのことを資本構成といい、最適資本構成を検討して、実現することを資本政策といいます。貸借対照表の右側の部分の話になりますが、ファイナンスの専門知識が必要な分野になります。
会社の弱点を発見し、補強するためのアドバイスするPL/CF改善
資金調達が、前線で戦う実行部隊の兵站であるのに対して、会社全体を会計の観点から観察し、強化しなければならない箇所を特定、進言することで会社の機能自体の強化・向上を支援するのがPL/CF改善の話になります。
その商品・製品はそもそも適正な利益が確保できるものなのか、というのはその用品の販売価格に対しかかっている変動費がいくらなのかという所を見る必要があります。そして、売上高‐変動費がプラスであったとしても、残った金額でどれぐらいの儲けになるのか、固定費を回収できるのかと言った話、また利益とキャッシュは別の物なので、キャッシュフローに問題は無いのかと言った話、そういった所は感覚的に経営しているCEOやCOOに対して、CFOが冷静に会計情報から提示できれば盤石になります。
的確な意思決定をサポートする守りの要
CFOは最終的な意思決定を行うCEOや会社全体の総指揮を司るCOOに比べると地味な部分を冷静に実行していかなければならない役割です。おそらく、いなければいなくても会社は回ると思いますが、いるのといないのとでは全く違うのがまたCFOだと思います。