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システムのことはよくわからないけどシステムを変えたいというニーズ

前職でも前々職でもシステムを会社に導入するという仕事をやっていたのでシステム導入コンサルティングの実績はあります。しかし、中小企業を対象とした場合、わざわざコンサルタントを雇ってシステム導入をやるような難易度の高いシステム導入を行う会社は無いと思っていたのですが、従業員が百人規模に達しているような中小企業の中でも大きな企業では、システム導入にコンサルタントの力を借りたいというニーズがあるようです。

これぐらいの規模になってくると、ネットワークを利用して離れた事務所間でシステムを利用したり、全員の顔が見えない規模になってきて、アナログなコミュニケーションでは会社の全貌がよくわからなくなってきたりします。そうなってくるとITの力を使って集めた情報を基に会社の意思決定を行ったり、システムに運用を合わせることで各所でばらばらの運用を統一したいというニーズが生まれます。

この時、社内にITに詳しい人材がいればいいのですが、規模的にも適材がいる可能性は低く、例えいたとしても、そういった人材は希少で忙しく、システム導入というスポットで比較的重い業務を担当する時間もなかなかないため、外部に人材を求めるのが手っ取り早いということになります。

システム導入コンサルタントは何をやるのか

システム導入コンサルタントは、顧客と協力して会社に最も適したシステムを選定してシステム業者の行うシステムの実装作業を顧客の立場から管理することになります。定義は色々とあるのかもしれませんが、私がやってきた業務はそういったことでした。まずは対象システムの候補選定から、システムの仕様検討・要件定義を行い、システム業者の方と調整する際に顧客が不利にならないようにするといったことが主な業務です。

対象システムを選定するにあたり、システムにどういった機能が必要なのかを整理し、絶対に必要な機能とあったら便利な機能を分けたうえで、その機能を実現することができるシステムを探すことになります。通常は、同じ系統のシステムはどの業者のものも同じような事しかできないという事情もあり、システムを変えない前提で運用をどう変えるかも考えなければいけません。

ここで、システムが得意な事、できそうなことのイメージが無いと運用をそのままにして、面倒なことは「よくわからないけど、全てシステムにやってもらおう」と思考停止に陥ってしまいシステム導入後にできないことに気付いて苦労するということになります。

運用変更の検討は現状の業務の棚卸やあるべき業務の検討といった作業が必要になり、最初に集中的に時間を使う必要があります。業務を理解する顧客から情報を収集し、システム導入後の業務のイメージを顧客と協議しながらシステムの仕様を決定していくということに一番時間がかかります。カスタマイズできないパッケージソフトを選定するのであれば、細かく仕様を決定してもどのパッケージソフトにもその機能が無ければ意味が無いので、各パッケージソフトの特色を理解することに注力する必要があります。

この辺りは、業務の理解とソフトの理解を同時並行で進めていかないと将来の業務のイメージがうまくできません。顧客はコンサルタントがすべてやってくれると思い込んで丸投げしてしまい、コンサルタントは業務がわからず適当にソフトを選んでしまうといったことにならないように、業務を理解する顧客とソフトを理解するコンサルタントとのコミュニケーションが重要なフェーズになります。

あるべき業務とは何か

あるべき業務とはいったい何なのかについては、システムを変更する際に常に悩まされます。なんとなく「これがあるべき業務だ!」という理想の業務フローがあるイメージかもしれません。私も最初はそんなイメージを持っていましたが、何度かこの業務を経験していくうちに、そんな万能な業務フローは存在しないと思うようになりました。

あるべき業務に必要な要素としては以下のようなものがあります。

・現状の業務よりも同じ内容を短い時間で完了できる
・現状の業務よりも同じ内容をより正確に実施できる
・現状の業務よりも同じ内容をより楽に実施できる
・今までやりたかったができなかったことを実施できる

上記のような効果が期待できる業務フローの変更はすべて「よりあるべき業務」ということになります。「コンサルタントなんだから完璧なあるべき業務を提案してよ」と思うかもしれませんし、提案しますと言いたいところですが、現実には本当にそんな業務を提案できたとしても実装するのは極めて困難です。

選定するシステムが想定する業務の流れに運用を合わせられればそれがあるべき業務なんだという昔からの言い回しがありますが、それは上記の要素を実現できるか不透明で、システム会社がシステムを売りたくて主張しているだけだと思います。

システム変更によって影響を受ける人が多ければ多いほど、現状の業務をベースによりあるべきに近い業務にしていくという形にしないと、いきなり大きく変わってしまうと現場が混乱してしまい、せっかく導入したシステムを利用せず元の運用を維持しようとするということになりかねません。財務会計システムのように、もう前のシステムに戻れないという場合にはともかくExcelでやっていたことをシステム化するなどの場合には特にそのような状況になります。

システム導入が成功したか否かは、その後の業務が上記のあるべき業務の要素をどれだけ満たすことができたかにかかっています。そのためには、理論上のベストを提示するのではなく、実際に運用を担当する現場の方に配慮した検討が必要になります。


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