賀詞交歓会での消費税の話
こんにちは。当ブログをご覧いただきありがとうございます。
この記事では、消費税と税収の関係についてご紹介させていただきます。
本日公認会計士協会の賀詞交歓会に参加してきました。監査法人に勤務していたころはメールが来たこともすぐに忘れるほど興味が無かったのですが、独立したこともあり行ってみると思いのほかいろいろな人とお話ができて有意義な時間を過ごせました。
昼の研修からフルで参加したのですが消費税が増税された話がありました。消費税増税の背景は、増大する社会保障給付費を税収増により賄うためです。私はこの話を聞くたびに引っかかっることがあります。
消費税を増税したら全体の税収は本当に増えるの?という疑問です。消費税は1989年の3%を皮切りに、1997年に5%、2014年に8%になりました。そして昨年10%の大台に乗りました。
消費税が導入されてから30年。全体の税収は一体どうなっているのでしょうか。
消費税増税が始まった1989年から2年間は税収が大きく伸びています。しかし、3年目から陰りが見え始め、2009年までの20年間で税収は大きく落ち込み、実に3分の2以下になってしまいました。その後は税収が伸び始めていますが、1990年の60.1兆円を超えたのはつい最近の2018年のことです。30年近く消費税取り続けてきてたのに…
もちろん税収の落ち込みの原因になったのは消費税のせいだけではないでしょう。しかし、消費税を増やすことで消費が冷え込み税収全体に悪影響を与えることも間違いないです。
また、景気の良し悪しや消費税増税による冷え込みは当然計算に入れたうえで税収が増えてないと消費税を増税する意味がありません。このグラフからは、消費税を増税したからと言って確実に税収が増えたとは言えないということがわかると思います。であればわざわざ消費税を増やしたい理由は何でしょうか。
消費税は安定収入源
グラフを見てもわかりますが、消費税は増税したタイミング以外は基本的に横ばいで、景気の良し悪しにあまり左右されません。対して所得税や法人税は大きく上下しており、景気が悪ければ税収が少なく、景気がよければ税収が多くなる傾向にあります。
政府から見れば、毎年の税収が読みやすい消費税は予算の計画も立てやすくより都合がいい税なのかもしれません。しかし、景気が悪い時は税収も減らして市場にお金を多く回し、景気がいい時は税金を多くとるという景気の安定化機能(ビルトインスタビライザー)も財政の重要な役割です。
税収も必ずしも増えず、ビルトインスタビライザーの機能もない消費税。本当に増税していく意味はあるのでしょうか。まるで海水を飲んでのどの渇きをいやそうとしているような感覚になります。
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