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キャバ嬢に貢ぐお金まで経費に!?「あらゆる領収書は経費で落とせる」を読んで

事業に関連させるためにどれだけ頭を使えるか

こんにちは。当ブログをご覧いただきありがとうございます。
この記事では、「あらゆる領収書は経費で落とせる」という本について一部ご紹介させていただきます。

昨日も記事にしましたが、「あらゆる領収書は経費で落とせる」という本を読みました。この本が言いたいのは「大抵の領収書は事業に関連させることが可能」「事業に関連していればすべて経費で落とせる」ということで、キャバ嬢に貢ぐお金については、究極的にはこんなものまで経費になりうるという、頭の体操のような話として紹介されていました。

まず、キャバクラに行った時の経費ですが本には3つのやり方が書いてあります。

①接待交際費として

事業に関係する身内以外の誰かと一緒に行く必要がありますが、友人など事業にちょっとでも絡んでいればいいようです。一人で行く場合には使えません。また、個人事業主なら全額損金ですが、中小企業者は600万円までの9割が損金、それ以外は全額損金にならないので経費にする意味がありません。

②商品開発費として

キャバ嬢から情報収集し、新しい商品を開発するためです!という名目で経費とする方法です。若い女性向けの何かを開発したい、水商売向けの何かを開発したい、あとキャバ嬢が出てくる物語を作る作家さんも経費になるようです(ある程度売れてないと説得力が無いでしょうが)。開発した商品がどんなものなのかとか、レポートとか、なんらか事業にちゃんと利用していますよということがわかるようにしておく必要があります。これは一人で行く人用でしょうか。

③研修費名目で

キャバ嬢の営業スキル、コミュニケーションスキルを学ぶ場として行きました!ということで経費にするということです。この場合も、レポートのようなものがないと、本当に研修で行ったことが証明できません。研修なので、そんなに頻繁には使えないようです。

キャバ嬢が愛人になったら…

ここまでくると、冗談としか思えなくて笑ってしまいましたが、愛人として囲うお金まで経費にするという話です。本の中では、こんなあり得ないと思えるものまで考えようによっては経費になりうるという例えとして紹介するとのことでした。

ここでも経費にする方法は3つ記載がありました。

①従業員にしてしまう

会社の従業員にして給料名目で払うということです、秘書として雇って身の回りの雑務をやってもらいつつというイメージでしょうか。これは家族経営の会社とかでは無理があると思いますし、結構従業員がいる会社でも従業員に示しがつかないのではないでしょうか。また、愛人になった人を時間的に拘束する必要があります。時間的な拘束を緩和する方法として従業員ではなく非常勤役員とするというアイデアも掲載されていました。

②業務委託する

簡単な雑務を委託し、委託契約を締結して対価を払うという方法です。パソコンができる人ならデータ入力や書類作成等、簡単な作業ができるのではないかということです。また、先ほどの商品開発費の話でも合ったように若い女性の趣向調査として調査業務を委託するなど、何らかの業務を委託することで経費計上するという方法です。

③情報提供料を払う

情報提供料というあまり知られていない勘定科目を利用する方法です。情報提供料を利用できる条件については、法人税基本通達61の4に記載があります。

(1) その金品の交付があらかじめ締結された契約に基づくものであること。
(2) 提供を受ける役務の内容が当該契約において具体的に明らかにされており、かつ、これに基づいて実際に役務の提供を受けていること。
(3) その交付した金品の価額がその提供を受けた役務の内容に照らし相当と認められること。

国税庁 法人税基本通達61の4(1)-8より抜粋

きちんと事前に契約を締結し、どういう情報の提供を受けるのかを明確にしておく必要があるようです。また、金額が大きすぎるとダメと釘を刺されています。

業務委託と似ている気がしますが、業務委託は何らかの業務をやってもらわないといけないのに対し、情報提供料は情報を提供してもらえればいいようなので、会って話をするだけでもいいのかなと思います。

そして手切れ金へ…

なんと、関係が終わるところまで考えてくれています(笑)。手切れ金を経費にするためには、前項の①の方法を使って従業員か役員にしておく必要があります。従業員か役員として退職金を支払う形で手切れ金を渡すという方法です。従業員か役員にすること自体が色々とハードルが高そうなので現実的ではないのかなと思いました。

税務署員には根拠を聞くべき

この本でもう一つ印象に残ったのは「税務署員が言うことは絶対ではない(よく知らずにデタラメを言うこともある、税金を取りたくて嘘を言うこともある)から、おかしいと思ったらしっかり主張してよい」という話でした。

確かに相手も人間なので、人によってはいい加減な人もいるだろうと思います。税務調査で相手の方がよく知っていると思われることに対して自信たっぷりに言われたら「そういうものなのかな…」と思ってしまうかもしれません。

しかし、ちゃんと調べて問題ないはずと思ったことに対して根拠も示されずにダメだと言われたら何を元に否認されたのかは確認してもいいと思います。税法なのか、判例なのか、基本通達なのか、何らかの根拠があるはずです。もしなければ納得いかないと主張していいと思います。

節税対策に時間を使いすぎるのは得策ではない

どちらにしても、経営者はこのような話は税理士に任せて本業の儲けを増やすことに注力することで使えるお金を増やす方が健全だと思いました。経営者の使える時間には限りがあり、売上は無限に増やせますが、経費計上には限りがあるからです。

また、こういう節税対策については事前準備が必要になりますので、申告だけ税理士に頼むというパターンではなかなか大きな節税は難しいのではないかと思います。もし税理士に頼みたいのであれば顧問契約を締結して計画的に準備しておく必要があります。

この本については、福利厚生費の使い方というメインの話がありますのでまた記事にしたいと思います。

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