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既に貸倒引当金についてご存じであれば読む必要はありませんが、青色申告をされている個人事業主の方で今まで貸倒引当金のことをご存じなかった方は、一回限りですが経費を増やすことができます。

貸倒引当金とは

貸倒引当金とは、将来入金が確定しているはずのものが取引先が倒産したなどのの理由によって回収できなくなる(貸し倒れる)ことを見越してあらかじめ費用として見込むために使う勘定科目です。

「いやー、自分の事業では貸し倒れることなんてありえないし…」と思われたかもしれません。私も貸し倒れたことはありませんが、青色申告を行う個人事業主に関しては期末(12月末)の売上債権について5.5%までは貸し倒れる可能性があるものとして経費算入しても認めてもらえます。

(3) 貸倒引当金
事業所得を生ずべき事業を営む青色申告者で、その事業の遂行上生じた売掛金、貸付金などの貸金の貸倒れによる損失の見込額として、年末における貸金の帳簿価額の合計額の5.5%以下の金額を貸倒引当金勘定へ繰り入れたときは、その金額を必要経費として認めるというものです。ただし、金融業の場合は 3.3%になります(一括評価)。

国税庁タックスアンサー No.2070

100万円の売掛金があったとしたら5.5万円という微々たるものですが、少しでも経費を増やしたいと思われているのであれば検討の余地があるのではないかと思います。

なぜ1回限りの方法なのか

「これを毎年やれば売上債権の5.5%分毎年経費算入できるのでは?」と思われた方もいるかもしれません。しかしそんなにうまくはいきません。毎年5.5%本当に貸し倒れていたら確かにその通りですが、本当に貸し倒れる金額は0円だった場合は、経費算入した分翌年の収益として計上しなければいけません。

つまり、経費を前倒しで計上しているだけなので、「本当は経費になりませんでした(損失は発生しませんでした)」ということであれば、反動で収益になってしまうのです。

毎年全く同額の100万円の売上債権が期末に存在した場合、最初の1年目は5.5万円経費算入できますが、次の年からは5.5万円収益が増えて、期末に5.5万円の経費を算入することになるため、プラスマイナスゼロになります。

したがって、この方法を有効に使うためには、たまたま今期大幅に利益が上がっただけで、来期は赤字になるかもしれない場合など、特殊な状況である必要があります。

売上債権が右肩上がりで増え続けていれば参入できる経費が毎年発生する

ただし売上債権が増え続けた場合は貸倒引当金を経費算入し続けられます。今期は100万円の売上債権で5.5万円経費計上したとします。次期の期末の売上債権が200万円に増加した場合、今度は11万円経費計上できることになりますが、その前の5.5万円は戻し入れて収益計上されるため、差額の5.5万円が再度経費になります。さらにその次も300万円に売上債権が増えれば、差額の5.5万円が経費になります。

貸倒引当金の存在を今まで知らなかった方で、今期とにかく1円でも経費を増やしたいという方は検討されてみてはいかがでしょうか。これは、単に経費の前倒しをしているだけなので次期に反動が来るという点については重々ご留意いただければと思います。


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