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【事業再構築補助金】ものづくり補助金との違いに注意!ありがちな残念な事業計画3つ

事業再構築補助金について、いくつか事業計画の策定支援や事業計画のアドバイスを行っています。すでに第1回の締め切りは明日ですが、第2回以降に向けて準備されている方に向けて事業計画のストーリー展開について記事にさせていただきます。

概要についてはこちらの記事を参照ください
事業再構築補助金を徹底解説【申請代行】【申請支援】

事業再構築補助金の事業計画でよくある勘違い

事業再構築補助金は予算1兆円という超大型の補助金で非常に注目が集まっており、第1回から応募が殺到していることから初回から採択率が相当低いかもしれないという予想も出ています。この辺りはふたを開けてみないとわかりませんが、少なくともこういった事業計画はマズいだろうと思われる事業計画について記載させていただきます。

残念な事業計画その1 全く困っていない事業計画

事業再構築補助金の事業再構築の定義としては、新分野展開(全く新しいそれなりの規模の事業を起こす)、業態転換(全く新しい生産方式・販売方式を採用する)、事業・業種転換(既存事業をあきらめ主力事業を全く新しい事業に転換する)、組織再編(新分野展開等の再構築を合併等の組織再編で実行する)といった分類のどれかに当てはまる形であることとしています。

それらの要件を満たすことに気を取られて、もう一つの大前提を忘れてしまっている事業計画は採択される可能性を落とすことになります。もう一つの大前提とは「売上が減少していること」です。

この前提が入っている理由は、この補助金が「窮地に陥った事業者が、起死回生をかけてハイリスクな投資を行う」のを応援することを想定しているためです。にもかかわらず、資金計画上一切の借り入れを行わず自己資金で賄っていたり、既存事業が何の理由もなく順調に成長する収支計画であったりしたら審査員も「ん?これって困ってないよね?」と感じてしまいます。

既存事業が成長している理由が、新規事業を立ち上げたことによる相乗効果であればまだ説得力がありますが、そもそもの前提が既存事業との代替性が無いことなので、順調に伸びてしまったらやはり不自然です。この点が、ものづくり補助金と大きく違う点で、「ものづくり補助金の難しいバージョン」的な大雑把な理解で事業計画を策定してしまうと陥りやすいミスです。

残念な事業計画その2 盛り込みすぎている事業計画

事業再構築補助金は通常枠で6,000万円という高額な補助が出るため、MAXでもらうためには税込で9,900万円もの投資計画が必要です。補助金は税抜きの金額に対して支給されるため税込9,000万円ではMAXはもらえません。

実に1億円の投資計画となると、事業者によっては前代未聞の大規模投資になります。「どうしてもMAXもらいたい!」という気持ちが強くなりすぎ、あれもこれもと事業計画に盛り込んだ結果、複数の計画が事業計画内で並行して走ってしまうと、計画一つ一つの説明が薄くなってしまううえ、話が錯綜して読んでいてよくわからない計画になってしまいます。

審査員は殺到する事業計画を短時間でさばいていかなければいけません。1件当たり1時間もかけていられないのではないでしょうか。そんな中、「何を言っているのかよくわからん!」という事業計画について時間をかけて読み解いてくれるのを期待するのは酷です。ろくに読んでもらえない可能性も否定できません。

残念な事業計画その3 実現可能性がありすぎる事業計画

先ほども書きましたが、この補助金は「今までやったことが無いハイリスクな投資」を想定しています。このため、「数年毎から試験的に事業を実施して小さな成功を収めている」とか、「特許申請中」といったものづくり補助金であれば喜ばれそうなフレーズは、既存事業の延長線であることを宣言しているに等しく事業再構築補助金ではむしろマイナスに働きます。

また事業再構築補助金の対象になるのか難しいコインランドリー投資やFC展開などビジネスモデルとして事業リスクが低い事業計画はそもそもの事業再構築補助金が想定しているものから離れるため、十分に練られた計画だったとしても不利になります。

かといって、荒唐無稽すぎて全く実現可能性が感じられないというのではもちろんダメで、「これは確かにハイリスクだけど補助金で支援してあげれば何とかなりそう」と思える程には説得力のある事業計画である必要があります。

端的に簡潔に最低限抑えなければいけない内容のみ

事業計画を策定するにあたり、最大15ページしかなく審査員の審査時間もかなり短いと予想されることを考えると、最低限盛り込まなければいけない内容を盛り込むだけで余計なものを入れる余裕はありません。

・事業をやる目的
・事業をやる方法
・実現可能性(ありすぎてもダメ)
・売上の計画
・利益の計画

この辺りが、事業計画を読んですんなり頭に入ってくるような内容であれば事業計画としては及第点はクリアできるのではないでしょうか。

認定支援機関をお探しの方はご連絡ください

事業再構築補助金に応募したいが協力してくれる認定支援機関がいないという方はezakitakakazu.office@gmail.comまでご連絡ください。